「なあ……」
「ん? なに?」
そういって寝ころんだままこっちを見てくる育代。彼女のそこそこいい体があらわになってるスク水姿。だからこそ、その胸が上下するのもわかる。彼女のゆっくりとした呼吸。
しかも育代と足軽は同年代くらいのちょうどいい年齢だろう。思春期の男女がキラキラと輝く海で二人……いや小頭もいるが……今は並んで二人だ。
普通なら男と女ってだけで意識するものではないだろうか? 一切意識なんてしてなくても、それでも異性と一緒にちょっといい雰囲気になってたら、ドキドキ――くらいはしないか?
(そんなに魅力ないかな?)
教室に40人の人がいたら、その大半はあいつは目立たない奴だと認識するような……そんな存在だってちゃんとわかってる。
それにこうやって何回も既にあそんでる。二人っきりではないが、育代から乱雑に扱われてるとはおもってない。つまりは好感度的には下の方……ではないと思ってるわけだ。
と、なると……である。となると、普通は好感度が下に振り切れてもない限り、こんないい雰囲気ならちょっとは意識するのが『普通』ではないか? と足軽はおもってる。
別に事前に『好き』とかいう感情がなくても、思春期の男女が海辺でいい奮起になってたら、それを想起させるには十分な筈だ。なのに、全く育代にはその気配が微塵もない。
「えっと……その……ほら、最近ちょっと世間がおかしいなって……さ。そう、思わない?」
「どういうことなのそれ? あははは」
足軽の突拍子もないその言葉に意味が分からずに育代はケタケタと笑う。本当はまっすぐに自分の能力をカミングアウトして、それで育代の力の事も聞こうと思ってたわけだけど……足軽は日酔ったのだ。まずはジャブから……とかいう思考に陥った。
「いやほら、最近力が……超能力が世間では目覚めたり……してるじゃん?」
「……そう、だね」
ちょっと探るような向けてくる育代。超能力という言葉に関心を示してるのはきっと間違いない。