ガシャコン――ガンガン――ギィィィギィィィ――ヂヂヂヂ
そんな音が響いてた。中央の管制塔に入るのにちょっと止まどまってしまったが、入ってみたら完全に外の『世界』とは隔絶されてるのがわかる。いや、逆だ。
世界はこの船によって『隔絶』されてるのだ。
「てか……なにもないね」
不思議な場所だった。そこは暗い。真っ暗といってもいい。確かに私は内部に入ったんだよね? 漆黒に飛び込んだわけじゃないよね? と言いたい。けど私にはわかってる。これもセキュリティの一環だ。きめられた道はない。
それは外周の環状線くらいである。他は作らないといけない。そしてそれが出来るのは、この船の事を理解してる存在だけ。つまりは……
「私なら道を作れる筈」
なにせそのやり方は00(イグゼア)にあった筈だ。暗すぎる空間。下手に踏み出すとそのまま船の外まで排出されそうな……そんな気がするが……大丈夫。私だってちゃんとイグゼアは読んでた。
イグゼアと共に認証コードももらってる。いや、もしやこれは『彼』のコードなのかもしれない。それを使えば、きっとこの船はちゃんと私を乗組員とみなすだろう。
「よし、私の為に道をお願い」
私は目の前のウインドウを操作する。そもそも既に私にインストールされた彼のコードはG-01と共有されてる。だからこそ、ここまでも来れたし、管制塔の扉も開けてる。だからこの船は既に私たちを認識して、認めてる。この船のクルーの一員だと……ね。
「見える?」
私には床が見える気がする。確かに漆黒だ。画面では……ね。でも私の頭にはマス上になってる仕切りというか? 区画というかが見えるのだ。試しに一番近くのマスを指定してみる。でもなんかなんにもならないな? 反応もしてない? いや、してはいる。
よく見ると、G-01の画面に映ってる画面がマス状に光ってる。でもまだ輪郭だけみたい。
「一つマスじゃな無理なのかも?」
私はそう思って道になる様に一直線に道をある程度引いてみる。大体その一マスはG-01の足幅よりもちょっと大きい……程度だ。だから一マスでも乗ることは……
「強度は大丈夫だよね?」
そこは考えてなかったや。いや、でもきっと大丈夫なはずだ。だってG-01を作った人々の前進みたいな感じだからね。他にもロボ的なものはきっと導入してただろう。なにせこれだの巨大さだよ? それを彼が人力で管理してたわけない。ならきっと大丈夫。そういうのを運ぶために十分な強度というはあると思う。多分。
とりあえず続けるようにして選択する。すると確かにそこに一直線の『道』ができる。