城のような建物の地下。鍾乳洞の奥深く。不思議な乳緑色の泉の場所に儀式の祭壇が作られていた。泉の中央には祭服を着たミイラがいる。そんなミイラの前に板を組んで簡易的な祭壇が作られてる。そして泉を囲むように灯篭が建てられて、その間をローブで結ぶそのローブには白い紙がひし形をずらしたようなものが下げられてた。
さらに泉の水には何か赤い液体? を流し込んでる。そのせいで泉の乳緑色の水が赤と混ざって紫をもっと毒々したような……そんな色になっていく。泉の周囲の一角には白い和服を着た小さな人たちが木製の楽器をもって何やら演奏してた。ミイラの前の壇上、そこに用意された長方形のテーブル。そこに白装束に身を包んだ幾代が目を閉じて規則的なリズムを刻む息をして大人しく寝てる。
彼女の顔や首、見える手や足……その肌には何やら黒い墨汁か何かで何かの文字が書かれてる。まるでミミズが這うような文字。それはどうやら彼女の全身に書かれてるようだ。幾代の横には大きな亀のようなものがある。本物ではない。その亀の甲羅の隙間から何やらピンク色の煙が出てる。そてしそれはこの空間に広く漂ってる。
「それでは儀式を始めましょう」
「花月様素敵です!」
「花月様ーー!」
「やっちゃってください!!」
「これで私達も解放されます!!」
そんな事を叫んでる子供たちのテンションはなんかおかしい。今は夜中だ。普通ならもう寝てておかしくないし、自然に眠気が襲ってきてそうな小さな子だっている。でも、今は眠気なんて全くないように叫んでる。
明らかにおかしい。でも花月様は満足そうだ。そして花月様は眠ってる幾代の前に立つ。そして何やらささやいてる。それは……呪文? まるで唄のようなそれをすらすらといつもよりも肌艶がウルウルとしてる花月様はすらすらと紡いでる。不思議な音楽と、花月様の綺麗な声の詠唱。そしてこの場の異様な雰囲気。
それはこの空間を満たし、包み込む。そして不可思議な事が起き出す。
カタ……カカカカカカ、カタカタカタカタ――
その音はなんなのか……それはこの泉に鎮座するミイラ。それから出てる。洞の様な二つの双眸……不思議な事にその洞に僅かな光が見えるようだった。そして、そのミイラの歯がカタカタカタカタ……と振動してるのが原因だった。