uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし出ることはできません)祖にありける新の形 180

「私は……どうすればよかった? 私を殺すか? きさまにはそれができるだろう?」
 
 頭に流れてくる声にはさっきまでの発狂はない。まあ私が空獣の姿を消したからなんだろう。トラウマ……とかになってるのかもしれない。神にもトラウマとかあるんだって思った。なんかもうあきらめたような……実際には目の前の神は両手を上げて降参のポーズをとってるとかはない。けどさっきまでの獰猛さとか、危険な感じはなくなってる。
 いくら暴れたところで自身の力が私に通用することはないと、悟ってしまったんだろう。なにせここは神の領域……神の精神世界のような場所だ。ここは圧倒的に本人であるこの神が強い。だって自分の精神なんだからね。
 私はいうなれば異物だ。だからこの空間から排除されるというのはある意味で普通で、当たり前の事。つまりは完全に向こうが有利なのだ。絶対的にね。けど、そんな有利なはずの場所でもこの神は私の浸食を防げてない。それはつまり私の方がこの場所を支配してるということだ。
 ありえないことが起こってると神も思っただろう。だってここは神の精神世界なんだから。そこで自分ではない、他人がそこの支配権をもってる? それはつまりはもうその時点で自身が負けてると……そういうことだ。
 そう、神は悟った。だからこそ、この質問だろう。ならば……ならば私はこう返そう。
 
「しませんよ。そんなこと。だってなんの意味があるんですか?」
 
 私の言葉にギロリとその大量の目でにらんでくる。私は手を動かして周囲の目を消した。そして表すのはウサギな彼女だ。その投影といっていい。本人じゃない。だってそんなことしたらどっちもびっくりだろう。まあ実際、ちゃんと神とウサギな彼女は話し合ってしかるべきだとも思う。
 けどまずは約束してもらわないとね。ケンカしないって。私だってあの子には目を付けてるのだ。実際サンクチュアリを得られたらもういいというか? そんな感じではある。下手に私たちに縛り付けるつもりはないしね。
 でもそうすると、彼女はあの世界に帰ることになるわけで、そこでまたこの神と対立してしまうとね。生きづらいじゃん。かかわった誰かが不幸になるのは見てられない。それは私のわがままだ。そんなのわかってる。
 たしかにG-01はとても高性能だ。すごい高性能なロボットなんだ。でも……だからって全てを幸せにする……なんてできない。
 いくら強くても、高性能でも、マンパワーではすべてを救うなんてできない。それが残酷だけど現実だ。でもせめて、知り合った存在くらいは救いたいじゃん。そのくらいはできる力があると……私は信じたい。そしてそれは……ウサギな彼女だけじゃない。
 
「私の経験を、私の知識を分けましょう。もっと話して、一人じゃなく私たちでもっといい方法を探しましょう。そのくらいは協力しますよ」
 
 私はそういって目の前の神に手を差し伸べた。