uenoutaの日記

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ある日、超能力に目覚めた件 第三章 第六話Part4

 私は野々野君と握手を出来たことに感激した。ちょっと気になる男の子と単純な接触をする。それだけで乙女は舞い上がれるのだ。野々野君のお手てはとても綺麗だった。それにすべすべだ。私よりもすべすべかもしれない。
 私は部活を頑張ってるから、そこそこ手が……ね。女の子らしくネイルをしてるわけでもない。だってバスケは手を使う。ネイルなんてしてたら危ない。それは自分にもだし相手にも配慮してるからだ。
 
「えっと……」
 
 私が野々野君の手を執拗にすりすりしてたからか、野々野君がちょっと引いてる。しまったこれは私のミスだろう。ちょっと混乱してたんだ。そこに野々野君の手を触れて、それでそっちに意識が持っていかれた。
 こんな事をするつもりじゃなかったんだよ。どうしようどうしよう……と私はあわてる。そして思い出した。
 
(そうだ。これは私の力を見せる為の行為なんだ。なら!!)
 
 私は目的を思い出した。だからそれをやらないと――とおもった。そしてそれを実行したんだ。
 
――――ゴキッ――――
 
「あっ」
 
 なんか変な音がした。主に野々野君の手から。でもなんか野々野は平気そうだ。あれ? 大丈夫なのかな?
 
「ご、ごめんね。ここまでするつもりは……」
 
 私は恐る恐る手を開いた。そしてその惨状を見て謝る事しかできない。だって……だって野々野君の手は見るも無残な形になってしまってるからだ。手のひらが圧縮されて、それによって五本の指がそれぞれ変な方向に曲がってしまってる。
 これで痛くないわけない。どう見ても大惨事だ。なぜか血は出てないけど、これってきっと内部で砕けた骨とか刺さってたりするはずだ。このままで良いわけがない。
 
「救急車……」
 
 私はあわあわしつつ、スマホを取り出した。でもその時だった。なんかガバッと野々野君に強引に抱きしめられた。
 
(え? ええええぇぇぇぇえええええええええええええ!?)
 
 意味がわからない。なにこれ? 夢? どういうこと? だって救急車呼ばないと……でも彼の胸の中に抱かれると、意識がぼんやりしてくる。幸福感で満ちるのだ。
 
「大丈夫。辛かったね。でも心配ないから。打ち明けてくれてありがとう」
 
 そんな風に頭の方から聞こえてくる声。そんなの聞いたら、私も思いっきり彼を抱きしめる事しかできないよ!