【これまでのあらすじ】
ミレナパウスさんとリファーちゃんは別の世界でサンクチュアリを探してた。そこで見つけたサンクチュアリの反応は巨大な亀!? そしてその甲羅には特殊な生態系の世界が成り立ってる!?
その中心にサンクチュアリがあると判断した二人はその世界へと強引に潜入。そしてそこの先住民に出会って、なんやかんやあって、彼らの街へと招待されたのであった。
ガチャン!
そんな重厚な音が響く。さらにはゴトっと重い金属がぶつかるような音も……そしてのっそのっそと去っていくのは二足歩行のウナギのような奴。いや、アナゴ? わかんないけど、足が生えて二足歩行を可能にしたそれの背中にリファーちゃんは叫んだ。
「あけろー! 私たちが何をしたっていうんだ! こんなぼうりょくは反対・犯罪・最低だーー!」
そんな風に彼女は叫んでる。そしてその後ろではなんか遠い目をしてるミレナパウスさんが「あははは」――と乾いた笑いを漏らしてた。一体彼女たちに何があったのか? ドローンを使って私はこの状況になる前の映像を見ることにした。このカメの背中の世界に入ってるドローンたちそんなにいないからね。慎重に行動するようにしてたのが功を奏したようだ。
それでも一機は壊されてしまってるみたいだね。反応がない。仕方ないか。ドローンは現地の住民やら動物でも事故で壊せてしまうくらいの耐性しかないからね。いくら減っても別にいい……くらいのコストしかかかってないからこそ、いくらでも生産できるのだ。
圧倒的な物量……それに振ってるのが平均的なドローンだからね。必要なものはアタッチメントで後付けする形で対応してるからね。
ちょっとアイたちの方にかかりきりだったから、こっちを放置してしまってたのは事実。どうしようか? ちゃんと見てましたよ……の体でいくか、それとも正直にちょっと目を離してましたの体でいくか……まあ私にとっては録画を確認するなんて一瞬である。
だからそれを見つつ考えよう。
カメ人間みたいなやつらの背に乗ったリファーちゃんとミレナパウスさんは水の中の彼らの故郷に招待された。それはいい。確かに確認してたし。ドローンは水陸だけじゃなく、どんな環境だってそもそもが稼働できるようにできてる。柔軟的な稼働耐性は一番安価なドローンでも確保してあるのだ。
そこはね……ほら、世界とは千差万別なのだ。それなのにその世界ごとに対応する装備にする……となったら、逆に大変だし、本体は低コストなのにオプションで低コストではなくなる――なんていう本末転倒なことが起こりえる。
だからこそ、最初から標準的なドローンは環境への適応性だけはとても高く作られてるんだと思う。通常の空間はもちろん雨の中も嵐の中も、吹雪でも炎が立ち上ってても、そしてもちろん水中でも……標準的なドローンは活動できるようになってた。
そのドローンの記憶によれば、二人はとても感動してたようだ。なにせ水の中の都市なんて初めて見ただろうしね。私もだけど。水上都市とか、水の都とか呼ばれてるところは見たことあるよ。でも二人が案内された都市はそういう次元じゃないからね。水を活用してるとかじゃない。水と一体になってるといい都市なんだ。