「すみません、しっかり捕まってて! 急ぎます!!」
そんな風に亀人間がいった。そしてその言葉とおりに今までゆっくりと観光できる程度のスピードしか出してなかった亀人間のスピードは飛躍的に早くなった。まるでジェットエンジンでも積んでるのか? というみたいに加速が半端じゃなかったのだ。いやいや、その腕でその推進力はどうやってだしてるんだ? とおもうくらいだ。
だって別に亀人間の腕は本当の亀みたいに平たくて面積が大きい……とかはない。屈強だけど、人間の腕のようだ。いや亀人間の亀らしいところってそもそもがその甲羅くらいしかないからね。
亀人間というか? 亀のコスプレ……と言ったほうがしっくりくるレベルかも知れない。なのに一気にスピードが上がったのだ。ゴロンと甲羅から落ちそうになったリファーちゃんはなんとか落ちきる前に甲羅を握力で掴んで踏ん張った。でもそれでも亀人間はスピードを緩めてはくれない。
「ふんぬー! あははは、はやーい!」
なんかリファーちゃんは楽しそうだ。落ちそうなのにね。それに……
「おお!? おっきなお魚さんだぁ! やっほー」
そんな風にリファーちゃんは手をふってるが……追いかけてきてる魚はとても大きい。ゆうに亀人間とリファーちゃんを飲み込めるくらいには大きい。それに飛び出した2つの瞳がなんかくるくるまわってるし、体の半分を占めようか? と思えるその大きな口の奥にはびっしりとならんだ歯が見える。
きっと口にはいったらそれによって細切れになって咀嚼されてしまうんだろうって容易に想像できる。まあいうなれはピンチだ。きっとあれがアジュージャーってやつなんだろう。この泉の主? かなんかなのかな? 亀人間の声が届いたのか、泡で包まれた都市の光がきらびやかな光からまるで救急車とかパトカーが出すような光がいたるところでくるくると回る。
そして何かが都市の方からでてくる。それはきっとあの都市の防衛隊のようなものなのだろう。魚の体に腕と脚が生えたやつとか、タコの頭に人の身体の人とか腕が昆布の人とか……そんな多種多様な人とリファーちゃんはすれ違う。そんな彼らをリファーちゃんはキラキラとした目でみてた。
リファーちゃんにとってはなんでも珍しいんだろう。いや、私もこの記憶を覗いてる時点でそんな人達は初めて観たけどさ……でもどうやら彼らはすぐにそのでかい魚に攻撃を仕掛けるってことはしないようだ。