あのでかい黒いのはまるで黒をせおってるようだった。黒いなにか……としかわからないそれ。でも確実になにかが向かってきてるのはわかる。
「おねえちゃん! 光を当てて! 私がいく!」
そういってリファーちゃんは足に力をこめる。止めるか? と思ったけど、ミレナパウスさんもあの存在をどうにかして止めないと−−と思ったのか、そのまま活かせる気みたいだ。
そしてミレナパウスさんは収納してた杖をどこからともなく取り出した。手のひらを上に向けると、そこに光が集まってきてポンッとまさに魔法よろしく、でてきたんだ。
その杖を握って素早く詠唱を開始したミレナパウスさん。そして半身になって杖を腰のところでどっしりと構えた。両手に持った杖の先端に光が集う。そして、ズドーン!!と発射された白い光の波動が水を押しのけて進んでいく。そしてそれが直撃したと同時に、リファーちゃんも動いた。
時空間を移動しての移動で一瞬にしてその黒を背負う存在に近づく。ミレナパウスさんの光が黒にあたり続けてその動きを止めている。
リファーちゃんはその光に紛れて、奴の懐? といっていいのか、体の下の部分に入り込んだ。今回もきっと頑丈そうな鱗があるんだろう。近くに来ても溢れ出す黒によってその本体を確認することはできない。いやそれどころか、近くにきたことでそのあふれだす黒にリファーちゃんは包まれてしまってるように見えるだろう。
でも別にリファーちゃんには影響はない。そう彼女は感じてた。でもこのまま近くにいるのは良くないような気はしてる。リファーちゃんの野生の勘って奴だ。この溢れ出す黒のせいで、この魚の肉体自体を確認できない。いくら近づいても見えない。
でもそこにいるのは確実だ。ミレナパウスさんの光で晴れるかも? と思って攻撃をしてもらったリファーちゃんだけど、その思惑は外れた。
だってミレナパウスさんの光の攻撃でもこの黒を剥がすことはできてない。
「けど、ここだああああああああああ!!」
結局の所、リファーちゃんの狙いは外れてしまった。どういうことかというと、黒の向こう側……本体さえも空間をどうにかすることでどうにでもなる……と思ってたリファーちゃん。でもその伝家の宝刀ともいえる時空間の力がこの黒の向こう側の存在にはきかなかったのだ。