「だめだ! その方に手を出してはだめなんだ!!」
亀人間の一人がそんなことを叫んでた。でも既にリファーちゃんは手を出してしまってる。
「「え?」」
――と二人して顔を見合わせたけど、そこにさらに黒をまとったそいつがぶつかってくる。それをなんとかミレナパウスさんの魔法で弾く。盾を展開して、弾き返したんだ。でもすこし離れて再び突撃の助走をつけようとしてる黒いなにか。
手を出してはだめと言われても……既に向こうはやる気満々。やらないとやられるのは自分たちの方であると、リファーちゃんもミレナパウスさんも思ってる。
「ねえ、お姉ちゃん」
コショコショと何やら耳打ちをするリファーちゃん。それに対して、ミレナパウスさんはちょっと嫌そうだ。でも……
「これなら確実だから! お願い!!」
――とリファーちゃんは懇願してる。すると諦めたようにミレナパウスさんは了承した。何をする気なのか? 二人はどうやら同じ場所であの黒いなにかを待ってる。迎え撃つ気なのだろう。リファーちゃんは黙って耐えて、そして遠距離にいる時はミレナパウスさんが魔法を放つ事で対策してる。
リファーちゃんの性格なら、いくらでも挑んでいきそうなものだけどね。だって通じなかったからって諦めるやつじゃないし、このくらいの距離ならリファーちゃんにとってはあってないようなものだ。
時空間を操れるリファーちゃんなら、いくらでもヒットアンドアウェイができるからね。でもそれをせずにジッとまつ。もしかして黒いやつのヘイトをミレナパウスさんの方に向けさせてるのだろうか? そうしてる間にも、黒いやつは再び真正面から突っ込んできた。ミレナパウスさんの光の光線も飲み込みつつ、突っ込んでくる黒いなにか。
再びミレナパウスさんはシールドを展開する。輝く魔法陣のシールドだ。基本的に物体を召喚しないシールドは物理的な衝撃には弱いんだけどね。それこそ今ミレナパウスさんがやってるようなエネルギーを撃ち込むとかの攻撃にはああいうシールドは特に有効だ。
けど物理的にぶつかって来る相手にはやっぱり物理的なシールドの方が耐久性的にいい。だって魔法陣にはそもそも実態がないからね。ぶつかり合うためにはそこに実態を伴わせないと行けないわけで、途端に燃費がね。悪くなる。まあでもミレナパウスさんには他にシールド的な魔法はないんだろう。盾を装備してたらその盾を強化できるけど、そんなの持ってないからね。
でもあれでも一回は弾く事ができたんた。ならば大丈夫って目算もあった。でも向こうも今回は打ち破る為に気合を入れてるだろう。その証拠にさっきよりも黒いなにかのスピードは早い。
そして再びぶつかり合う黒いなにかとシールド。2つのぶつかった衝撃で湖畔が盛り上がって周囲に水をばら撒くほどだった。そしてそれを待ってました! と言わんばかりにリファーちゃんが動いた。