「しってるか? もうすぐ姫の新曲が発表されるらしいぞ」
「ふっ情報が遅いな。もう俺はライブの予約の予行練習までしてるぜ」
「なんか最近ものが高いわね」
「わかるわー。ほんと家計が圧迫されてこまっちゃう」
「流れの調子はどうだ? アジュージャーの動きにアレが起こした渦の影響は?」
「影響は大きいです。物流のルートに影響が……」
ふむふむ……このさいどうやって声を伝えてるのか? というのはまあどうでもいいよ。きっと水の中でも効率的に音を届ける進化をしたんだろう。知らんけど。それならリファーちゃん達はどうなるんだよってことだけど……きっと二人に渡されたアクセサリーがとても高性能なんだろう。一応そっちも解析してる。だってそれを解析したら、わざわざ翻訳しなくても、その仕組みを解析したらそれを私にも適応したらいいだけだからね。
技術で強引に突破するか、それとも技術で強引に突破するか……
(いや、どっちもこれ技術で突破してるじゃん)
気づいた。やっぱり卓越した技術こそが最強か。対応力が半端ないもんね。そんなこんなで色々と町中の声を集めてる私だけど、よく考えら私の耳は二つしかないのだ。そして二つあるからといって二つの耳から別々の事を言われたら困る。混乱する。だから私が聞きとれるのは一つしかない。
それは効率悪すぎる。なのでやっぱりG-01に任せる。沢山の声の中から特定のキーワードを抽出して拾うようにしてみる。それは『捕虜』とか『アジュージャー』とか『渦』とか『アレ』とかである。どうやら誰もアジュージャーの後に出てきたあの黒いのの名前を言わないだよね。
きっと名前を言っていけない的な……存在なんだと思う。でも実際「アレ」では候補が多くなりすぎたね。捕虜とかアジュージャーではある程度関連性ある情報だと思えた。でも……『あれ』というのは実際誰もが普段使ってしまうワードなんだよね。
「あーあれあれ、あれだよ」
とか言うことあると思う。それほど使わないにしても、ふと「あれね」とか「そうあれ!」――とかさ、いうじゃん。つまりは『アレ』というのは汎用性最強の言葉だったのだ!! というわけで私は「あれ」は検索候補から外すことにした。まあアジュージャーまで出たら、あれの話題も出る確率は50%以上ある。
ならば別にあれ自体はいいだろうって判断である。