「報告します! 目標が消えました!」
「またか……落ち着け! 我らから逃げることはできぬ。水のマスを図るのだ!」
そんな風に王宮? といっていいのかはわかんないが、一番豪華な建物の中でそんな風なやり取りをやってた。いきなりリファーちゃんが消えたのはちゃんと確認してるようだ。だからこそ、次に現れた時に落ち着いて対処したらいい……そういうことだろう。一回空間を切り裂いたのも見てるからね。二人の内のどっちかが、移動する力を持ってる……ときっと予想してるんだろうね。
でも……
「じゃじゃーん!」
そんなアホみたいな声とともに、リファーちゃんとミレナパウスさんがいきなり中空に現れた。
「なに!? みなのも――」
「ざーんねん。私たちの勝ち……だよ!」
中空から現れたリファーちゃんとミレナパウスさんは一気にその落下の勢いを利用してまっすぐに一番偉いであろう人の所に突進した。一番のお偉い人はとっても大きな貝殻の内側にいた。
開いた貝殻の間にはヴェールがかかってて、その向こうの多分この泉の町で一番の権力者の姿は見えない。でもシルエットや声的には多分女性だと思われる。リファーちゃん達が現れた瞬間には急いでその貝殻は閉じようとしてたみたいだ。多分だけど本来なら、この貝殻の玉座? はただ綺麗で演出とかの意味合いだけじゃなく、いざという時には中の人を守るための強固な盾にもなるものなんだろう。
そしてその信頼感はかなりの物のはずだ。だって自分達の一番の権力者を守る最後の盾……になりうるものなんだからね。中途半端な強度の物にそれを任せるわけないよね? だからこの綺麗で大きな貝殻はきれいなだけではなく、本当ならめっちゃ強固で壊されるわけないっていうね……そんな信頼感があった筈。
でも……リファーちゃんとミレナパウスさんは落ちていくなかで、勿論だけど、その閉じようとしてる貝殻をぶっ壊した。なにせもう遠慮する必要ないしね。ここに襲撃を掛ける……そう決めた時点で「やってやる」――という気持ちは固めてたはずだ。だからこそ、二人とも迷わずに攻撃をして、一気に貝殻をぶっ壊したんだ。
そして……今、二人はこの泉の女王様だと思われるその人を人質にとったのだ。