uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1073

「つまりは……この今起こってることは教会側のせいではないと……そういうことなのだな?」
「そうです。これはあの子――いえ私達が得た世界の情報を元にG-01によって正しい手順を踏ん出ることで起こってる現象です。これは必要なことなのです」
 
 とりあえずそういう風に私は王様たちに説明します。なにせこういう世界が大掛かりに関わることはだいたい今までは教会が手を回してやってきた。だからこそ、これも何か教会の策略……と思うのは当然だ。
 なにせこの世界でこれだけの魔法は基本、教会しかできない。それに王様たちもこちらの技術は認めてるが、魔法的な力はあまり分かってないでしょうからね。なにせ魔法で大きな事を、別に私達はやってません。色々と施設を作ったりしてますけど、あれをきっと魔法的な事とはこの世界の人たちは思ってないでしょう。
 あれも魔法とテクノロジーの融合ですが……この世界の人達には超越したテクノロジーだと思ってるはずです。だから私達が持ってるものはきっとテクノロジーにその振り幅が振れてると思ってたんでしょう。だからこんな魔法的な現象を起こせないとおもってたのかも。
 
 でもこちらの技術は魔法でもテクノロジーでもこの世界を悠々と凌駕してる。だからってこんな事は確かに難しいのも事実ですが……できないことはない。それだけの条件が揃ってます。
 世界の深部にまでアクセスできるようになっているのなら、G-01ならそこに侵入することも出来るでしょう。そしてそれを理解できる頭があるのなら、活用する技術がちゃんとG-01にはあります。
 それに……私はナデナデしてるネナンちゃんをみます。
 
(この子の存在も大きいでしょう)
 
 ネナンちゃんはサンクチュアリです。確証はないですが、サンクチュアリとはその世界に選ばれた存在。特殊な力を与えられています。けど与えられてるのは力だけではありません。色々な世界の特権……それがあります。
 
 きっとあの子はこの子のサンクチュアリの権限を勝手に利用してる。心を開いてくれてるのなら、可能なはず。サンクチュアリというこの世界の特異点があるからこそ、きっと『起動』できたのでしょう。
 
「正しい手順を踏むことでこの世界は助かるのでしょうか?」
「それは……」
 
 王様の言葉……けど正直わからない。そもそもがこの世界はとてもいびつです。不完全……といっていい。そしてそれはきっと神の意志。そもそもが不完全で、完全な世界ではないからこそ、色々な事を速くやろうとしてるという感じ。
 
「大丈夫ですよね」
「ネナンちゃん?」
 
 ネナンちゃんのその言葉に同じくらいの王子様が不思議な顔をする。そしてそれは王様たちも同じ。
 
「だって、こんなに綺麗で優しい。きっといいことになります!」
 
 そんなネナンちゃんの言葉には説得力なんて無いと思うんだけど……でもなんとなくこの現象が悪いことじゃない……とは皆が感じてたのかもしれない。王様たちはなんとなく納得してた。

ある日、超能力が目覚めた件 434P

「あがあああああああああああああ!?」
 
 四足歩行の男が体を低くしてその手足を使って草陰草案へと向かってくる。更に視線はどこかいっちゃってて、更に吠えてる口からはダラダラと犬のように唾液が出てる。草陰草案達が気づいたのが遅れたのは、そいつが本当に低く……むしろ犬というよりも、トカゲ? みたいに這ってたからだ。警官隊の包囲もすでに突破してた。きっとさっきの風に気を取られてた。
 けど考えてみたらあり得る事だった。犬や猫の様な行動を取る人が居るのなら、トカゲとかの行動を取る人がいてもおかしくない。だって今の時代、そういう爬虫類を飼ってる人たちだっている。
 まあけど、爬虫類は声を上げて走り寄ってくる……なんて事はしないと思うが……
 
「しまっ!」
「草案ちゃん!!」
「ひよええええええ!?」
 
 そんな声を出してる周囲の男ども。あの四足歩行の男は想像以上に機敏だった。半裸で目がイってる大人の男……あんなのに襲われたら中学生の女の子なんてひとたまりもない。だからこそ、猩々坊主とか大人や大学生達は草陰草案を守る気満々だった。けどそんな守りをすり抜けてやつはいく。
 
 その脚に狙いを定めてるのか、食いつこうと口を開ける。
 
「ひっ!?」
 
 むき出しの脚……女子中学生の脚である。細いその脚にむしゃぶりつこうとしてるそいつに、背後から現れた存在がサッカーボールを切るように顔を蹴った。
 
「ちょっ!?」
 
 やりすぎでは? と草陰草案は思った。なにせ、彼らは正気じゃない。自分の意志ではなく、狂乱状態といっていいのだ。だからこそ、猩々坊主やアンゴラ氏だってあまり暴力的な事はできなかった。アンゴラ氏の力は派手な音は出すが、実際そんなに体に衝撃を伝える様なものじゃない。
 でも今のは完全に思いっきり顔面を蹴り上げてた。歯とか白いのが吹っ飛んでいったかもしれない。
 
「大丈夫ですか草案様」
「あ、はい」
 
 出てきたのは黒服たち。草陰草案を守るSPである。なにせ沢山の人を治して、力をもってて、その存在が世界に認知されてる草陰草案である。ただ唯一、たった一人だけ……その力を『本物』として国家に認知されてる存在である草陰草案だからこそ、その周囲には政治家とかVIPと同じようにボディガードが配置されてるのだ。
 
 彼女に救われたVIP達はすでに多い。だからこそ、そんな恩人の彼女を守るためにそんな人たちがお金を出して草陰草案にボディガードを付けてるのである。勿論そんな彼らは普通の人達とは違って、厳しい訓練を受けた人たちだ。
 セコムとかのただの民間警備会社とかではない。もっと深いところにも食い込んでるスペシャリスト達……そんな屈強な人たちが草陰草案には付いてるのだ。
 
「か、確保おおおおお!!」
 
 蹴られた男を警官隊の人たちが取り押さえる。けどそれはどうやら悪手だった。自分たちの包囲から抜け出して女子中学生が襲われたという失態が素早い行動を取らせたんだろうけど……あの男は謎の力に当てられてる。
 
「とりあえず草案様は後ろに……」
「駄目です! その人に近づいたら!」
 
 そんな事を草陰草案がいった時、襲ってきた男を拘束するために取り押さえた人が暴れ出す。そのもってた盾を振り回して、周囲の警官隊を攻撃したんだ。
 
「な、何をする!?」
「どうしたんだやめろ!」
 
 仲間が錯乱したことに混乱する警官隊の人たち。彼らは混乱してるが、先にこの状況を実況してた社会人組や大学生配信者達。そして草陰草案も、気づいてた。そして警官隊が一部で混乱してる間に、再び一時草陰草案の力で拡散された向こうの力が戻ってきてた。

ある日、超能力が目覚めた件 433P

「まずはやってみる!」
 
 そういって草陰草案は自身の力の起点になるその石を両手で包み込んで祈る。その小さく黄色い石が強く光り輝く……なんてことにはなってないが、草陰草案を中心にして、風が吹いてる。それははっきりとわかった。それになんかいい匂いがする……とかも周囲の男どもは思ってた。
 
 
 草陰草案は閉じてた目を開けて、そして右手を前に出す。すると一気に風がブワッと手を出した方へと強く吹く。
 
「なんだ?」
「っつ……」
 
 前に展開してる警官隊達も驚いてる。この力の作用には草陰草案の心が反映されてた。なにせ今まではこんな風に使ったことはない。けどやるしかなくて、草陰草案はちゃんと力を感じて、そして周囲に満ちた事がわかった。けど同時に、この異常を引き起こしてる何かの力……それも感じることが出来たんだ。前方の方からもわっと迫ってくるようなその力……そしてそれはもう今まさに警官隊へと届きそうだっだ。実際もしかしたらこの草陰草案の力の風が流れる前には意識が飛びそうになってた警官の人もいたんじゃないだろうか? 本当なら草陰草案はこの風をキラキラとしたりして、まさに「癒しの風」みたいな風にならないかな? とか考えてた。まるで粉雪が降ってくるように……この力を降り注ぎおかしくなった人たちを正気に戻す。
 それが出来たら、きっとまた一段と草陰草案は尊敬やら敬愛やら……いろんな愛を集めることが出来るだろうと考えた。それに動画映えだっていい。きっと『奇跡』と言われただろう。でもそんな得する考えをしてる場合じゃなかった。だからこそ、ただ力を込めた風として吹かした。それによってあとちょっとで盾を構えてる警官隊の人たちに触れようとしてた向こうの力を流すことが出来た。
 
(あぶな……想定とは違うけど……とりあえずこのまま私の力を伝える!)
 
 強風が吹いて警官隊を通り抜け、そして異常者となってる人たちの所まで届く。そして一気に濃ゆかったの力を流す。それによって大半のふらふらと歩いてる人たちの動きが停止する。
 
「よし!」
 
 草陰草案は手ごたえを感じる。向こうの力を押しのけて、草陰草案の力が周囲に満ちる。それによってきっと徐々に草陰草案の力がおかしくなってしまってる人達に浸透していくはずだ。そしてきっと「正気に戻れ」とか祈ってるともとに戻るはず……と草陰草案は思った。 
 なにせ向こうの力を押しのけることが出来たのだ。ならば、体内にあるであろう力を草陰草案の力で押し出せば……
 
(きっと正気に戻るはず)
 
 そう考えてる草陰草案。けど実は、草陰草案には体内にあるはずの向こうの力……までは感じることはできてなかった。けどそれでも問題ない……そう思ってたんだ。なにせこの力はこれまでも草陰草案に応えてくれてた。そして苦しそうな人たちを救ってきた力だから……

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1072

「う……ん」
「大丈夫、アイさん?」
「大丈夫であるかアイ殿?」
「……そうですか……なるほど……大丈夫です。そして……もうきっと大丈夫です」
 
 私は上半身を起こしつつそう言います。まずは皆さんの顔を見回した後に空へと目を向けました。そして状況を理解……いえ、ダウンロードしました。でも私は一瞬で全てを理解しましたが、眼の前の方々はそうじゃないらしいですね。
 
「えっと……アイさん?」
 
 私はそんな風に心配してくれるネナンちゃんをナデナデするために引き寄せました。ちょっと関節とかからギギギと異音がしますが……この程度は問題なんて無い。なにせ……です。どうやら彼女がちゃんと気を利かせてくれたらしい。私には今、潤沢なエネルギーがあります。すぐに修復できます。私に強制的に譲渡されてたこの世界の力……それを十分な量、ユグドラシルシステムで変換して渡されたみたいです。それを修復に回せばこの辛さも……
 
「理解して無いようですね。大丈夫、今世界はきちんとした手順を踏ん出るのです」
「アイ殿、きちんとした手順とはどういう事だろうか? この現象は一体?」
 
 王様がそう言ってきます。実際わからないでしょうね。きちんとこのシステムを知ってたのはきっと教会だけ……それもきっとトップだけでしょう。いえ、教会さえ、失伝してた可能性はあります。
 
 なにせこれは世界の情報を読み取って解析してたことで見えてきた事。勿論この世界にちゃんとヒントはあったようですけど……それでもたどり着いた人はいなかったでしょうし、それに……
 
(そもそもが辿り着くことはなんてもう不可能だった)
 
 そういう事になります。なにせ多くの町はすでに失われてるのですから。その時点ですでに……でも必要なプロセスをあの子は無理矢理再現して発動しているようです。ここまで出来るようになってるとは……頭良くないと思ってましたけど、そうでもなかったみたいですね。
 脳の拡張のおかげでしょうか? いえアレは記憶力とかメモリ的な物のことで、元来の頭の良さには起因しないはずだったような? それを考えると実はあの子が私が思ってたよりもずっと賢かった……ということになります。
 
 私が不要……とか言われてるようでちょっと不快ですが、成長が嬉しくもあるのはまた事実。とりあえず私は自分が把握できてる事をここにいる皆さんに説明しましょう。

ある日、超能力が目覚めた件 432P

 声はおおきくなっていく。大体おかしくなった人と親しかった人というのはきっと近くにいたはずだ。友達同士で道路を歩いてるとしたら、そんなに離れて歩く……なんてしないだろう。家族なら手を取ってたりするだろう。
 だから一人だけ残るなんてそうそうないはず。もしもそんな事になったら……自分の友だちや、大切な家族……そんな人達に自分の声が届かなくなったら……それは一体どんなに辛いことだろうか。
 おかしくなった人をみる……それは他人だとしても目をそらしたくなるほどだろう。最初はそれこそ「なんだなんだ?」という感じで興味半分で見ると思う。でも見続けてるといたたまれなくなる。
 他人でもそうなんだから、知り合いならもっとだろう。だからこそ、草陰草案に泣きついて来るのは仕方ない。なんでその人だけ無事だったのかはわからない。それでも「ラッキー」とは思えないんだろう。
 だから彼らはすがりつく。年端もいかない少女に……それだけ体裁なんて気にしてられないってことだ。
 
「任せてください」
 
 そう草陰草案はいう。けど、草陰草案はちょっと額に汗が……なにせ実際まだわからないからだ。なにがって? それは草陰草案の力がちゃんとこのおかしくなった人たちに効くか……ということである。でもここで「無理かもしれない」とか言えないのも草陰草案であった。
 
 けど困る事は他にはもある。
 
「私、基本的に力を使うときってその人に触れてたんだよね……」
 
 それである。ぼそっといったそれだけど、すがりついてる人たち以外、つまりはちゃんと草陰草案のことを知ってる猩々坊主たちにはそれは分かってることだ。でも近づくのは論外である。
 
「近づくのは危ない。意識を持ってかれる。君だけは失うわけにはいかない」
 
 そういう大川左之助。そしてその言葉に続くように草陰草案の肩に手をおいて朝日倉三がその端正な顔でいう。
 
「君だけが希望かもしれないから……」
 
 そしてそれは勿論だけど彼らのチャンネルで今も放送されてる。真剣な顔でそういう朝日倉三の言葉にコメント欄では「キャーキャー」と女性たちの黄色い声が大量に流れてる。同じ様なことを大川左之助も言ったはずだけど……その時はむしろなんか誂う様なコメントが多かった。
 けど朝日倉三の言葉にはきっと女性が大量に書き込んでる。これが顔面偏差値の違い……仕方ないことだけど、やっぱりネットの向こう側ではどうしても切迫感……みたいなのは薄くなってしまうものだろう。
 
「離れててもどうにか出来るかやってみます!」
 
 そう言って草陰草案は胸元にいつも下げてる石を両手で包み込み、祈るようなポーズを取った。すると次の瞬間、彼女のスカートの裾、髪の毛が、ふわっとなびく。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1071

「G-01殿……」
 
 確かに今のはその声だった。視線を向けると、片膝をついてたG-01殿が立ち上がってる。そしてその手は胸くらいの位置にあり、両手が天を向いてる。何をやってるのか……それはわからないが、空を仰いでる……ようにもみえる。
 
 すると次の瞬間、アズバインバカラが……いや違う。アズバインバカラだけじゃない。ジャルバジャルの方もなんか光だした。2つの街……その場所には光が沸き立つようになってる。
 そしてその光が空に街の紋章を表してる。それは古から使われてる紋章……誰が作ったのかも今やわからないものだと聴いてた。けどずっと受け継がれて使われてたそれ。重要な書類とかにも、街の至るところにもあった。
 
 実際何か重要な何か……とは思わなかった。街のただの印だとおもってたからだ。けど、あんな風に空に浮かび上がるとか……どうやら何もない……ということないらしい。
 
「あれは……」
 
 そして空には別の紋章も浮かび上がる。それは実際何か……はわかない。けど次々と浮かび上がってくる。
 
 それは扉を囲むように現れてる。扉に一番近い場所の紋章はきっと中央であるドリランドのものだろう。そもそもがドリランドの紋章に扉が入ってる。そしてその外側にある紋章があってそれらをつなげて内側の円になってて、さらにその外に更に紋章があって、それがつながって二重の円なってた。
 その数は二十くらいだろうか? きっとそれはもう今はなき街の紋章もあるんだろう。かつてこの世界にあった全ての街の紋章が空に現れて一つの陣を形作ってる。そう見える。
 いや、確実にそうだ。そしてその中央に扉……きっとこれがこの世界の……いやあの扉の完成形なんではないだろうか?
 
「G-01殿……」
 
 これをなしてるのはきっとあの方だ。あの方が、その力と知識をもってして、完璧な扉を完成させようとしてる。きっと世界を解明したから、その術を得ることができたんじゃないだろうか? 
 
「すごい……」
 
 そんな言葉が自ずと出る。だって自分には太刀打ちできない所業だからだ。世界に直接干渉できるその力……それは自分には到底できないことなんだ。紋章と紋章、その間に複雑な何かが絡み合っていって、とても荘厳な魔法陣が組まれていってる。空全体をそれは覆い尽くしていくようだ。
 
 まさに……世界を全て巻き込むほどの大魔法。それが完成しようとしてることがわかる。こんな状況だが、自分の心がワクワクとしてるのが分かった。

ある日、超能力が目覚めた件 431P

「おお、草陰殿!」
 
 そんな風に言ったのは猩々坊主だ。実際、明確な力……を披露してるのはこの草陰草案だけだし、大っぴらに力を使えるのは彼女だけ。それに彼女の力は『癒やし』だ。
 つまりはこのおかしくなってる人たちにその癒やしが働いて正気に戻る……可能性をきっと皆は思ってる。
 
『皆さん! 草陰草案ちゃんが来てくれたました! もしかしたら彼女なら、この事態を収拾できるかもしれません! なにせ彼女はどんな医療技術をも超越した『力』を持ってるのはもう皆さん把握してるでしょう!』
 
 そんな風に大川左之助が視聴者にいってる。草陰草案は人気者で「「「「キター!!」」」」――と盛り上がってる。皆さん、女子中学生が大好き……というわけじゃなく彼女の力にきっと期待してる。
 いやもちろん、きっと女子中学生が大好きな輩もいっぱいいるだろう。なにせ女子中学生だ。それに草陰草案はオタク気質だが、その格好はかなりギャルによってる。ツーントンカラーの髪色してるし……好みは人によって分かれるようなファッションセンスだが、可愛い系ではある。中学生だから大人っぽくしたいのかもしれないが、子供らしい顔付きだし。
 
「皆さん! 私がきたあああああ! さあ、そこを開けなさい!!」
 
 そんなことを叫んでる草陰草案。けど勿論だけど、警官隊が道をあけるわけはない。
 
「ほら、危ないから下がってなさい!」
 
 そんな風に怒られた。まあ当然ではある。
 
「私の事を知らないというの!? 私の力があればこの事態を収拾出来るの! このままじゃあなた達までおかしくなるのよ!?」
 
 甲高い声でそう抗議してる草陰草案。それにこの動画を見てる人たちも警官隊に文句をめっちゃいってる。「無能」やら「国家権力の犬」やらである。やばめな草陰草案信者っぽいのもいっぱいだ。
 
『どうかそのお御髪を一房』
 
 とか言ってる頭おかしいやつまでわいてる。『その奇跡をここに!!』とかもいってる。
 
「まっくた頭硬いんだから……」
 
 そんな風に悔しがってる草陰草案。すくとそこにこんなことを言ってくる人が。
 
「貴方、草陰……さんよね? どんな人でも治すことが出来るっていう……」
 
 とうやら草陰草案を知ってる人がいたようだ。するとその人は泣きついてきた。
 
「お願い、私の大切を人を助けてください!!」
 
 するとそんな声を聴いた人たちもリアルで草陰草案に泣きついてきた。