足軽たちは海や川で遊ぶことが多くなってた。別にそれは足軽がリクエストして、育代の水着目当て……とかじゃない。ただあんなことがあったから、山の方に行くのを避けてるのだ。山では何かに遭遇しそうな……そんな気がしてるんだろう。
だいたいどこで遊ぶのかは育代に任せてた。育代はまだスマホを持ってないのか、遊んだ時に次の約束をしてる。勿論家で事前にどこに行く……とか何かを相談できないから、全ては育代任せだった。
海にいって川にいって、時々育代の知り合いの畑にいってなんか手伝わされたりもした。収穫体験みたいなのだ。けど彼女の友達? みたいなのは紹介されることがなかった。
田舎だから若者が少ないのだろうと思う野々野足軽だけど、逆に考えたら人数が少ないからこそ、在校生の結びつきが強くなる……とかあるのでは? とか思った。
都会の学校なら、それこそ三年間学年が違えば存在を全く認知しない存在がいるなんてのはざらだろう。いや下手したら同じ学年でだってそんなのはある。
でも田舎で全校生徒10人とかそれ以下だったら、みんな仲良くやってる……みたいなさ。そんな印象が足軽にはあった。それこそ全員が兄弟とか姉妹みたいな関係性になるような……そんな感じじゃないのかな? ってね。
あれから実は足軽は夜に何度もサルを探して出かけてた。けど、どうやらサルは夜には身を隠すようになったみたいだ。けど逆に昼間にはその視線を感じてる。
力を見る目さえもかいくぐってる。なら、昼間にいくしか……とか思っても、流石に昼間はそんな隙はない。家族の目もあるし、いくら田舎でも昼間だと誰かが見てしまうかもしれない。
だから足軽は楽しく遊ぶ中、どうしようか? と考えてた。昼間の内にサルを見つけて力を使ってそのまま追跡、夜になってから襲撃をかける……というのが一番だろうという結論に達してる。
だから今日こそは……という思いを抱きながら、あと何回観れるかわからない育代のスクール水着姿を目に焼き付けている。