uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力が目覚めた件 391P

(ここは……外? うわぁ……わあああああああああああああああああああああん!!)
 
 頭にたたきつけられる思念。それはまさに号泣だった。そしてそんな感じで風の少女が泣きわめいてるからだろうか? 一気にこの周辺の天気が悪くなってきた。風なのになぜに風の少女の感情に引っ張られるようにして強風が吹きだして、空も曇って、雨が斜めにたたきつけてくる。そんな状況になってた。風の少女も困惑して感情があふれてしまってるようだけど、野々野足軽だって実は結構混乱してた。
 
(なんで……どうしてここに?)
 
 だって野々野足軽的にはまずは向こう側……穴の向こうでドラゴンから風の少女を開放つもりだった。なのに……だ。なのになんかいきなり風の少女がここにいる。どういうことなのか、まったくもって野々野足軽だってわかってない。テレポートをした? いや、はっきり言ってもしもそんな事をしたら、きっとそれなりの力が減ってる事だろう。けど感覚的に、野々野足軽の想定以上には減ってない。なにせテレポートなんて憧れのような力を行使したとなったら、一気に力がガクッと減ると野々野足軽は思ってる。でもそんな様子はない。
 さっき力の巨人を作った分と、癒しの力をたくさん流し込んだ分……それだけが減ってる。まあけど……とりあえず……
 
「落ち着いて。もう大丈夫だから!」
 
 実際なんかどんどん天気がやばいことになってきてた。きっとこの事象はこれまでの気象情報の埒外だと思う。あんまり天気を観測してる人たちを混乱させるのも悪いだろうと野々野足軽はおもった。まあ本音はなんかトルネードが出来つつあるからこのままだと地上にまで被害が及びそうだったからだ。
 強風と雨くらいなら別にいいけど、竜巻となると大変なことになる。だから落ち着いてほしい。
 
「ありがとう! ありがとう!!」
 
 なんということだろう。さらにゴウ! ――と風が強くなって、きっと日本では観測史上最大規模の竜巻が出来上がった。野々野足軽達は中心にいるからなんともないが、もう周囲全部竜巻のせいで何も見えない。感謝されてるから強く言えない感じの野々野足軽。すると――
 
『こらあああああああ!!』
 
 ――そんな声が響いて、ポカっと風の子が風の少女へと手を挙げた。するとその衝撃のせいか、一気に竜巻が霧散して、晴れ間が雲の隙間から差し込んでくる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1030

 私が出るのは簡単だ。それによってこの戦いに勝つこと事態はできる。けど本当にそれでいいのか? ってこと。それを私達はずっと懸念してる。誰かに……私達のような他人に頼って救われた世界は、また危機が訪れたとき、この世界の人たちは再び『誰か』に頼るのではないだろうか? 
 ただ祈るだけで、自分たちで抗おう……としなくなるかもしれない。そうなったら……それは私達の罪だ。はっきりいってそんなのを背負う気はまったくない。だからこそ皆に最後まで頑張ってほしい。最後の最後まで……その瞬間まで……その時になら、すべてをひっくり返すのもいいと思える。
 でもその瞬間までは……
 
「逃げるな! 立ち向かえ!!」
「ここで背を向けたら家族が!」
「俺にはこの後に結婚するんだ!!」
「来やがれ虫野郎ども!! 絶対に街には行かせねえ!!」
 
 ドローンが届けてくる光景。そこには逃げる人たちは居なかった。さっきの光線。あれによって溶けた人もきっとそれなりの数いる。流石に一瞬で溶けてしまったらミレナパウスさんの回復も効くことはないだろう。そんな光景を見てたら、次は自分だと思って、体が恐怖に支配されてもおかしくない。
 だってそれが人間だ。自分が大切な筈だ。けど……戦場に出てる人たちはもう自分じゃないのだ。皆のために、そしてその先に幸福があると信じて戦ってる。逃げないで……そしてそこには確かに最後まで……その瞬間まで立ち向かう覚悟が既にある。
 
『そっか、私はいつの間にか傲慢になってたのかもね』
 
 私はそんな事をポツリと呟く。G-01という圧倒的な力。私はそれを手にしてる。神になった気になってたのは私だったのかもしれない。なにせこの世界の敵なんて今や敵じゃない。私がいけば全てが解決する。その全能感。私は彼らを救える立場だと……そう思ってきっと救世主気取りだったんだろう。
 
『これが命の輝きか』
 
 私には小さな光が輝いてる様に見えるよ。彼らはもう私に頼ろうなんて思ってない。傲慢な私なんかに頼らずに、自分たちの幸せを自分たちので手繰り寄せようと必死だ。その輝きは絶対に嘘や偽りじゃない。
 
『楽をしようとするのはもう十分か』
 
 情報は既にある。解析は……戦闘をしてても進めることができる。なにせ私の脳は拡張されてるし、ここでの戦闘……それは私ならそれこそ片手間だ。
 
「皆さんがんばってください……」
「これは……」
 
 後方のネナンちゃんもなんとか支援をしてるけど、それでもこの距離からでは二度も強化された砂獣には通らなくなってる。そして既に攻撃の手を止めてるアイ。おい……である。まあこれまで私以上に頑張ってたし怒るのはやめてあげよう。これからは……
 
『私が出る』
 
 私は立ち上がった。今度こそ、明確に戦うためにだ。その異常を感じ取ったのか、皆が見る。でも私は喋らない、そんな設定だからね。ただ、G-01の両目が意思を乗せて光った。

ある日、超能力が目覚めた件 390P

(誰か……助け……なに、これ? あったかい……誰か……いるの?)
 
 ドラゴンの動きがおかしい。実際癒やしの力は届いたのか……なんとかほんのちょっとだけ、ほんのちょっとだけは届けられたと思う野々野足軽。それの影響か? ドラゴンがなんだか苦しそうにぐるぐるとその場で回ってる。でもこれは……チャンスだ! 野々野足軽はそう思った。
 
「行くぞ!」
 
 もう一度野々野足軽は力の巨人を完全権限させる。ここで決める気だろう。苦しんでるドラゴンをその大きな両手でガッチリと抑え込んだ。そして目……のような部分がカッと光り、顎が外れたように口を開く。そしてそのままドラゴンの長い首にかぶりついた。これで癒やしの力を流し込むつもりだ。
 
「いけ! いけ! 助けに来たって伝えるんだ!!」
 
 ここが勝負どころだと野々野足軽はありったけの力を流し込むことに決めた。一気に大量の力がドラゴンの内部へと侵入する。
 
「道はもうわかってる」
 
 一度たどり着いたから、最短でいける。もう迷うことはない。確実に届くとわかってる。ドラゴンが激しく抵抗するが、それでも力の巨人を意地で維持する野々野足軽。大量の力を使ってるからか、タラっと野々野足軽の鼻から血が流れ出す。けど、そんなことには野々野足軽自身は気づいてない。
 
(気の所為? 誰か……誰かいるの? 応えて!)
 
 …………
 
(やっぱり誰も……いないよね。こんな場所に、誰かいるなんて……そんなこと……そんなことなんてあるわけ)
 
 ……そんなふうに風の少女は上げた顔を再び膝小僧に埋めようとしてた。けど、そのとき、ほんの小さな光が彼女の側に来た。小さな小さな風で簡単に飛びそうな光……けど、それが彼女の手に触れると、聞こえてきた。
 
『助けに来た!』
 
 そんな声。それは気の所為なんかじゃない。思わず彼女は顔をあげる。そして気づいた。周囲にはさっきの光がいっぱいあった。さっきまで真っ暗だった……何もなかった。けど……今は確かにある。そしてその光が言ってる。
 
『助けに来たよ。さあ、行こう』
 
 ――と。風の少女は立ち上がった。そして、光の中へと飛び出す。
 
(うん!!)
 
 そんなふうに言って手をのばす風の少女。その手に光が一気に集まっていく。そして……次の瞬間、風の少女は懐かしい風を感じてた。
 
(ここは……)
「うお!? びっくりした……」
 
 なんと風の少女は野々野足軽の手を掴んで元の空間……つまりは通常の地球へと戻ってきてた。これには野々野足軽もびっくりだった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1029

 闇と光が混ざったような砂獣達。内部からパリパリと新たなその姿を表してくる。まさにその姿は脱皮のよう。そうして出てきたのは今度は真っ白な砂獣だ。蟻は蟻の砂獣のままだけど、その大きさはさらに大きくなってる。
 
「つっ、まだ今なら!」
 
 そう言って勇者が大きなミミズの砂獣を切りつけた。そいつは全長数十メートルとかなってる超巨大な砂獣だ。そいつも白くなってた。けど、勇者の一撃には流石にたえきれなかったみたいだ。いや……
 
「今なら行ける。皆、こいつらは脱皮直後で柔らかい! 攻撃をするんだ!!」
 
 そんな事を勇者が叫んだ。なるほど。確かに脱皮をした直後ってまだ固くなる前だもんね。これなら今の装備でも一気に砂獣共を切って切って切りまくるってことができるかも。勇者の言葉で皆が再び動き出した。手近な砂獣へと攻撃を叩き込んで行こうとする。けど……
 
「速い!?」
 
 どうやら確かに砂獣は今、柔らかくなってるみたいだが、聖騎士の力までも取り込んで更に砂獣は強化されたみたいだ。それに……なんか蟻の砂獣が口を開いてそこに光が収束してる。そしてそれを一斉に放った。
 
『まずっ!?』
 
 私は一回動いて再び膝を抱えて座ってたけど、これはまずいと思った。魔法を発動させて後方部隊の前に魔法障壁を展開させた。それによって後方部隊……つまりはネナンちゃんとか王様達は守れた。てかあのままだったら更に後ろのアズバインバカラまで届いてたかも。いや、間違いなく届いてた。あれは人を吹き飛ばした程度で止まるようなエネルギーではなかった。
 砂獣がどいつもこいつもあんなのを放てるようになった? そうなるとなかなかに厄介だよ。
 
「くっ、コイツ等!!」
「当たらない。速すぎる!」
 
 砂獣が再び勢いを増してる。それにきっとこれまでの事例からするに、これから波によって現れる砂獣はこの白い砂獣になるだろう。そうなると……まずいな。流石にこれ以上のパワーアップはそう簡単にさずけるなんて出来ないぞ。いくらミレナパウスさんが超回復をしまくってるといっても、それもあのアクセがある限りである。
 これだけ砂獣が強化されて致命傷を受ける人達が増えると、枯渇だって見えてくる。まったくどんだけ強化されるんだよって文句を言いたくなるね。それでも私にとっては雑魚だけど……一回部隊を下げて、私が一掃するか? それが一番確実だ。でもそこまでやるのは……ね。そんな事をするのなら、もう最初から私がG-01で前線に出てたら……ってなってくる。それに……
 
『まだ皆諦めてないか……』
 
 そう、この世界の人たちはまだ自分たちで自分たちの居場所を守ろうとしてる。だから私が先に見限る事はできなくない?

ある日、超能力が目覚めた件 389P

(反応が遅れる……)
 
 そう野々野足軽は思ってた。なにせアホみたいに速いドラゴンの対応をしつつ、ドラゴン内部の風の少女……そこまで癒やしの力を届けてるのだ。どっちも油断なんて出来ない。ドラゴンと対峙してる方では既に攻撃の必要性はないかもだけど、けどだからって都合よく一回の癒やしの力で風の少女の心を溶かせるか? という疑念はある。流石に一回では厳しいだろうと、野々野足軽だって思ってた。
 けどまずは手応えが欲しいと思って、とりあえず今は攻撃を続けるんじゃなく、ドラゴンの翻弄の方へと野々野足軽は舵を切ってしのいでる。それでなんとか、頭のリソースを癒やしの力の方へと持って行ってるんだ。
 
 これが更に攻撃を続けようとするとなると、勿論だけど力の巨人の一部を作るための収束、そしてそれを操る意識、更にはドラゴンの動きを正確に読むための思考……それらがひつようになってくる。流石にそれだけのリソースを今は割くことが出来ないって判断もあった。まずは一度風の少女へと癒やしの力を届ける。それを何よりも優先してのことだ。
 
「とどけ……届け……」
 
 既に2つの力の層はこわれて、今やあと一つの層だけがなんとか残ってる状態だ。それも徐々に限界を迎えつつある。なんとか僅かなつながりを辿って力を操作してる野々野足軽。既に傷が完全に塞がってしまってるドラゴンの内部の力を感じるのはとてもむずかしい。取り込まれてなくても、それはとてもか細い、一回瞬きをしただけで見失いそうな……それほどにか細い糸。
 だからこそ、今はそっちに野々野足軽は集中をしないといけない。なにせドラゴンの体にはそもそもが野々野足軽の力が通りにくい。もしかしたら電波を妨害するように、野々野足軽の力を妨害してるのかもしれない。それでもなんとか繋がってる状態。せめてこれでその道を作りたいと野々野足軽は思ってる。
 なにせ今は何もない道を進んでる状態だ。誰も踏破したことがない山に挑んでるような……そんな状態。けど一度目的地に付くことが出来たら、そこに行くまでの『道』ができる。そうなると……だ。そうなると一度目よりも格段に色々と予測できるようになるだろう。層だってそうだ。3つでたどり着けたらそれでよし、心もとないのなら、4つにするとかの対策ができる。でもそれもまずはこれでたどり着かないとだめだ。
 だからこそ、僅かな繋がり必死に維持してる。これだけは手からこぼす訳にはいかない。
 
パキ……パキキ……
 
 と層が限界なのがわかる。けどそれでも一瞬で力がなくなるわけじゃない。ただちょっとでも風の少女へと届けば、こうやって助けようとしてると……僅かでも伝わるかもしれない。そうなるともう一度……もう一度彼女には希望が灯る可能性だってある。
 だからこそ、野々野足軽は綻びそうな力を必死にまとめて、なんとか少し……そう少しだけでも、泣いてる風の少女へと届けた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1028

『だから狂信者は嫌なのよ』
 
 嫌なものを見た。私はその場にはいないが、この戦場のどこよりも私はこの戦場の情報を得てるだろう。だからこそそれを見た。勇者が倒した聖騎士達がその最後を迎えたところを……まあ実際あれは勇者が最後を与えたわけじゃない。自身で最後を選んだ――って感じだった。そう考えると、奴らは幸せだったのかもしれない。
 なにせこの残酷で過酷な世界では自身の死を選べるほうが少ない。でも奴らは少なくとも、自ら進んで死へと進んだ。まあなんか騙されてそうだったけどね。だって奴らの最後の言葉……『次の世界』とか、『その資格を』とか、そんな事を言ってたが、実際まだ空の扉には変化はない。中央にいる奴らはなにかやってるようだけど……聖騎士達の死では変化はみえない。つまりは奴らは騙されたのでは? って思うんだけど……まあ同情はしない。
 どうせ敵だ。敵に感情移入していいことなんてない。
 でも……だ。
 
『でも、ただ死んだだけ……なんて思えないよね』
 
 勇者も警戒してたが教会とはろくでもない奴らである。なら碌でもない事をやってくるハズ。その警戒は間違ってないと思ってる。奴らは勿論こっちの人たちをなんとも思ってない。けどそれは仲間だってそうだ。奴らにはとってはこんな戦場に真っ先に投入するような奴らってのはきっとそれこそ生贄だ。その生命なんてどうでもいいと思ってるだろう。だからこそ、死だって計画通りだと思う。
 死ぬときはこうすれば先に楽園に行ける――そんな甘言をつかって聖騎士たちを誘導してた様に見える。
 
『仕込んでたのは聖騎士……ではなく、砂獣なんでは?』
 
 そう思った。その時だ。何やらこの戦場にいる砂獣全体にその変化は訪れた。いや全体は言い過ぎか……空を飛んでるハエみたいな砂獣にはない。アイツラは教会が産みだした砂獣だからだろう。まあけど、普通は教会が直接関わってる方に何らかの変化? ってやつは出そうなものだ。でもなんか違う。砂獣の場合は自然発生的な方にそれは起きてる。
 それは既に『強化』がなされてた砂獣共だ。そいつらには空に現れたなにかの残骸……それを食らって既に強化されてて、その甲殻にひび割れのような模様が浮かんでた。禍々しい模様だった。
 それが今、光ってる。それはさっき食べた聖騎士の光が内側から溢れてるかのよう。あのヒビのようなものは実際ただの模様だと思ってたんだけど……どうやら違ったらしい。なにせそのヒビが入ってた部分から砂獣達は生まれ変わって行ってるからだ。

ある日、超能力が目覚めた件 388P

「よし!」
 
 ヤマ勘が当たったことによる声……それがでた。なにせ、ドラゴンがどこに出るのかそれは実際わからない。風になって右にでるのか左に出るのか……それか上やら下、さらには背後って選択肢だってあった。そこで上に出たドラゴン。別にそれは本当に偶然で何か誘導してたとかもない。それに力の巨人は一瞬で出せる……という感じじゃない。
 もちろん全身を出すよりも今は部位だけ出してるから素早く構築出来てると思うが、それでも……だ。それでも一瞬では無理だ。これがこっち側。もともとの世界――地球なら一瞬で出せると野々野足軽は考えてる。試してはないが、たぶんできるだろう。なにせ時間がかかってるのはこっちの空間。この穴の先の空間には何もないからだ。何もないから野々野足軽は自身の力を流して、それを元に力を使えるようにしてるんだ。
 でも今の野々野足軽にはこの空間のすべてを力で満たすことが出来ない。そもそもがこの空間はどこまであるのかもわかんない。それに今はこのドラゴンとやりあってるところに集めておきたいってのがある。そしてそれを遂次集めては力の巨人にしたりしてるのだ。なので一瞬ってことはできない。全ての方向に事前においておく……というのも難しい。だからこそヤマ勘で用意してたところに来てくれたのは嬉しかったみたいだ。
 
 そしてそのまま殴りつける。拳を叩きつけるようにドラゴンの頭部を砕く。そして力を流し込む。癒しの力だ。壊して治す……ある意味でマッチポンプみたいだな……とか野々野足軽と思った。奥へ奥へ……けどこの奥というのは別にドラゴンの体内のどこか……とかじゃないみたいな? どこを進んでるのかも野々野足軽にさえ、よくわかってない。ただ深く……そう思って進めてるんだ。
 
パリン――
 
 癒しの力を守ってた力の膜……それが砕けた。これまでの経験で経て、どうやったら奥で泣き続けてる風の少女へと届くのか……それを考えた結果がこれだっだ。野々野足軽は何回も色々な事を試した。けどこれが一番いいと判断した。力を力で守る。いうのは簡単だ。けどやるのはそこそこ難しかった。それに……だ。
 
パリン――
 
 さらにもう一つの層が壊れた。そう、癒しの力を包んでた力は一つじゃなかった。そして二つでもない。三層だ。三重の力の層で守ってる。
 
「届け……たの――うお!?」
 
 癒しの力を届けてる間もドラゴンは動いてる。既に傷口はふさがってるが、層のおかげで野々野足軽の意識は二つに分断されてるようになってた。つまりは風の少女へと届ける力を操る意識と、ドラゴンへと対応しないといけない意識……その分割思考で野々野足軽の頭は悲鳴を上げつつあった。