2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧
とりあえずは勇者が黄金の鬼へと向かっていってくれたおかげで時間稼ぎはできるだろう。でも倒せるとまでは思ってない。下手したら勇者もやられてしまう。だから私も出ることを考えないとね。いや、鬼が宵から出てきた時点でそれは考えてたけどね。流石に鬼…
「つっ!?」 野々野足軽はフラッとその体をゆらつかせた。その様子に平賀式部は慌てて、わずかだけ触れてた手じゃなく、その体を使って野々野足軽を支える。 「大丈夫ですか?」 「ごめん……」 そう言って野々野足軽はドキドキとしてた。なにせ今までで一番…
「あれは……」 私は宮殿の崩壊を見届けつつ、何か使えるものはないか……とか上層部の奴らの不正の証拠とかドローンで確保しつつ、おじさんとヌメリアさん、そして彼らについてきた数少ない宮殿の生き残りを隊長さんであるメリアスさんを筆頭に進化した砂獣たち…
「何か心当たり……いや、なんでもない」 野々野足軽は思った。何を聞いてるんだ−−って。だって平賀式部はこの学校でも三本指に入ると言われてる美少女である。心当たり? 全校生徒だろう。女生徒も半分入る? いやいや、美少女は性別関係なく好かれるから。そ…
「よし!」 私はダウンロードが完了したのをみて、一斉にドローンたちを解散させた。窓の外に出て、部屋の中の様子を高みの見物である。すると一斉に既に死体になってたこの街サーザインシャインインラのトップの爺さんの死体に群がって、その体を貪っていく…
「えっと……これは?」 なんか変な手紙を見せられた野々野足軽は困惑してた。それはとても達筆な字でとても気持ち悪い文章が書かれてたからだ。そしてその気持ち悪い文章が書かれてた便箋もとても可愛らしいものだった。一週間分くらいあるのだろう。 その一…
「よし、これだね」 私はとりあえず脳のデータを全て引き抜く手段を見つけた。急いでもう一体、ドローンを呼んで、脳のデータをそのドローンへと丸々移すっていう方法だ。そのために呼んだもう一方のドローンをこのサーザインシャインインラのトップの死体に…
『今日も彼女は美しい。まるで春の日差しのように優しく降り注ぐ木漏れ日のように優しい暖かさをもたらしてくれて、香る香りは心身の底から幸福を掻き立てるような……そんな匂いが素敵です。 貴方の声が天上の旋律を奏でるたびに僕の耳目が幸せに咽び泣く。君…
世界には魔法なんてない。それに彼が気付いたのが、小学生の時だった。彼『桶狭間 忠国 (おけはざま ただくに)』はいろんな漫画を読んで、その技を真似して遊ぶような子供だった。そしてそれに飽き足らずに、彼は体を鍛えて、心を鍛えるために修行に明け暮…
どかどかどか−−と騒がしい音が聞こえる。砂獣がもうここまできたのか? と思って別のドローンの映像を確認してみるけど…… 「本当に期待を裏切らない最悪具合だね」 私はそんな呟きをしちゃったよ。だってさ……砂獣と思ったこの音……見てみたら違ったよ。なんと…
サーザインシャインインラの誇る美しい宮殿が崩壊し出してる。そこかしこで阿鼻叫喚がこだまして、逃げ惑う人々を砂獣が蹂躙してる。偉くても戦う力なんてない奴らは、自分達が「偉いんだぞ」とかなんとか叫んだり、買収しようとしてみたりしながら死んでい…
「ふうー」 大きく息を吐く野々野足軽。透視を行って、そこから更に力を伝える……その行為自体はできた。そこまで難しいってわけでもない。けど問題はすぐに見えた。 「これって、スッゲー疲れるな」 野々野足軽の体感的には普通に直接見えてるものを浮かせる…
「うーん実際、上層部の奴らなんてのはいなくなって問題ないような……」 どうせ腐ってるからね。上層部の奴らの切り札の大砲はどんどんと沈黙してる。実際エリート様たちが動かしていた訳じゃなく、自動で繰り返し発射してた訳だから奴らが逃げたとしても大砲…
野々野足軽は人気のない場所を探していた。なにせ今は色々と監視の目がどこにでもある。それこそ街中にはカメラがあるし、何か変なことをしようものなら、誰かがスマホで撮って投稿される……なんてこともあっけなく起こる。 だから下手な場所でこの力の訓練を…
目標……というものは人にやる気を与える。その先が明確に見えてたら、頑張ることだって苦じゃない。いや、これまでも別に野々野足軽は別に能力を鍛えることを苦だなんて思ったことはなかった。 楽しくやってたのは確かだ。けど、それでも闇雲にやってたのは確…
サーザインシャインインラの市街というなの瓦礫の中では戦いが繰り広げられてる。でも戦いの場はそこだけではない。市街はそもそもそが犠牲になるのが前提だった。だからよくやってる方だろう。 サーザインシャインインラのお偉いさん達はオアシスの中央にあ…
「ラク……エン。ラク……エン」 体が変化したもう一人の教会の奴。一部だけしか変化してないやつと違って彼は全身が大きく肥大化して、肌も黒く、そして何やら全身から何やらウネウネとした尻尾が生えたような……触手とも言えるかもしれないが、なんかかなり変な…
「ラク……エン。ラク……エン」 体が変化したもう一人の教会の奴。一部だけしか変化してないやつと違って彼は全身が大きく肥大化して、肌も黒く、そして何やら全身から何やらウネウネとした尻尾が生えたような……触手とも言えるかもしれないが、なんかかなり変な…
「ふふ、ふふふふ」 そう言って平賀式部はコロコロを転がして部屋の掃除をしてる。その顔は至って上機嫌だ。ニコニコと表情が柔んで、今にも崩れ落ちそうなほど。そうして一定の範囲をコロコロとして、そのコロコロにたくさんのゴミが着いたらそのゴミの中か…
(可愛すぎるだろ……) クラクラと頭をしながら野々野足軽はそう思った。そもそもが平賀式部が私服だってだけで、もうめっちゃ可愛いと思ってる野々野足軽だ。そこに小動物が入ったらもう最強だろう。 美少女と小動物の組み合わせはネットでも大人気だからな…
「今のは一体?」 「ふん、あれはアズバインバカラの刺客だろう。ラパンめ……我らの恩を仇にしおって……ぐぬううう……」 そういって腕を抑え出す心臓を使って腕を肥大化させた教会のやつ。ふむ……まああんな変な感じになってるんだからリスクはあるよね。 「だ、…
「ん?」 なにやら飛んできた。私はそれをギリギリでよける。まあ別にあたっても良かった。だって私……というかドローンはいくらでも変えはあるからね。でもちょっとは驚いた。だってドローンの電撃は数メートル範囲に強力な電気を撒き散らすというものだ。 …
「えっと観たいっていうか……ずっと制服でいるのはおかしいかなって……ここは平賀さんの家だし」 野乃野足軽はなんとか「みたい」って言わないようになんとかいってるようだ。ただ彼女がくつろいで無いのはおかしいって感じでいってる。まあけど、流石にバレバ…
「何あれ?」 ドクンドクンと脈打つ何か。私はさらにスキャンを駆使してそれが何かを解明するよ。どうやらあれは何かの心臓……みたいなもののようだ。どこにも繋がってないが、何かを循環させるように脈打ってて、実際、何か−−が流れてる。その何かは流れてる…
「えっと、くつろいでください。あっ、これを」 そういって後座みたいなのを野々野足軽にくれる平賀式部。なんか普通の後座ではなくて、模様がちゃんと描かれてるようなおしゃれなゴザだった。てか平賀式部はどうやらソファーとかに座るタイプではなくて直座…
「ベイルベンの遺児」ってのは奴ら、教会の奴らの言葉的に多分だけど、ヌメリアさんが産んだ砂獣だろう。奴らはどうやら、ヌメリアさんが産んだ砂獣、そしてそれが取り憑いた砂獣を管理下に置いてるらしい。 ということは今この瞬間にメリアスさん以下、この…
(ここが平賀さん部屋!?) そんなことを野々野足軽は思ってるけど、それを悟られないように努めて冷静なふりを振りをしてる。平賀式部の部屋はそこだけで野々野足軽の部屋の二倍はありそうなほどに広い。なんか自然系というか、インテリアがお洒落すぎてど…
「そうなんです。私と野々野君、いえ足軽君はお付き合いしてます。認めてくれますか?」 「認めるも認めないも、ボーイフレンドにそんな過程は不要でしょう。結婚するわけでもないのですし。流石に明らかに不備があるのでしたら止めますが……彼にはそんなに問…
「あれは…… 一体なんなんだ!?」 「あれはまるで聖典にある世界を踏み荒らす巨人……」 「そんなわけはない!! 巨人は鐘を鳴らすまでは宵を超えることはできぬ!!」 「ですが……あれはまさしく……聖典にある姿そのもの……」 「あんな黄金ではない……」 遠くから…
メリアス・アルドパルトさんのおかげで砂獣に立ち向かっていた市民の人たちも一致団結することができた。それぞれが勝手に動いて勝手にやってた戦い。それを少しは組織だってやれるようになってる。 それに……実はさらに戦力は増えていた。メリアスさんが来て…