(山田先輩は……) やっぱりヒーローと言えばイケメンに限る――と思ってる野々野足軽である。だからこそその人を探してるわけだけど、一番簡単なのはどう考えても直接野々野足軽が行くこと……である。けど流石にそれはやりたくないと思ってるみたいだ。 (これ…
ネナンちゃんが街を守ってくれている。でもこの扉から出てこようとしてる化け物の実力は未知数だ。あれでも安心なんてできない。他に気を取られる必要がない今、俺達はラッシュをかけないといけない。よしんば、倒す!! 「ヤツを倒しましょうアイ!」 「呼…
「ふふ……」 「なによ? ちょっとどいてくれる?」 朝倉先輩と悪魔の女性は対面してる。女がいきなり朝倉先輩をどうやら壁際に押し付けたみたいな? 多分そんな感じなんだろう。だからこそいきなりの事でびっくりしてる朝倉先輩な訳だが、とりあえず目の前の…
自分たちは三人+大多数でこの扉から出てこようとしてる化け物に対処してる。きっとこれは砂獣ではないだろう。だからなんと呼べがいいのかわからない。扉から飛騨腕だけを出してるそれ。けどそれだけで破壊力は抜群だ。覆いかぶさるようにアズバインバカラ…
「げっ……」 悪魔を見つけた。天使っ子と悪魔っ子の力を使って、同じ波長の力に反応した場所へと視界を飛ばすと、そこには確かに悪魔をやどした女性がいたんだ。そしてその悪魔は今まさにある女性を……いや女の子を催眠にかけようとしてた。その女の子はなんか…
「私も……それにこの世界をただ貴方たちにまかせるなんて不義理な事をこの世界の人達は思ってません」 ミレナパウスさんはそう言った。そして後ろの人達もその言葉に頷いてた。確かに自分達の世界……そして未来を勝ち取るのは自分たちでありたい……と思うのは当…
G-01殿が動かなくなった。わざと扉に一つの都市核を与えることでそのロックを開放させて解析を進める。確かに出来ないことはないだろう。あの方なら……それを狙うのも確かにいいのかもしれない。 自分なら危険だからとためらうが、あの方が出来るというのなら…
「「むむむむ」」 二人の助力……それを野々野足軽はきちんと感じる。自身の力ではない、特殊な別の力。それを受け取ってそれと似てる力を大胆に探す。 (なんか行けそうな気がする……今なら……) そう思った野々野足軽はサーチとも言えるその力を日本全国に広げ…
「一体……いつからだったでしょう……いつから……観た夢だったのでしょう……」 そんなつぶやきが出てた。それに答える者はいない。そんなのはわかってる。彼? いや彼女? は抱えてたものを取り出そうと幾重もの腕を解いていく。まずは細く長く、骨ばった手……その…
あの部屋へといざなわれた犠牲者……と言ってしまうが、顔を確認できたのなら、野々野足軽の力ならその身元を割り出す……なんてのは簡単だ。だからとりあえず部屋にいる女性の事は放置することにした。もしもまだ来たばかりなら、まだ仮面の男に食われてなくて…
野々野足軽はちょっとだけ目を閉じる。それは本当にただ目を閉じてるだけのように思えるが……力を持つ野々野足軽はそれだけでいろんなことが出来る。まあ別に目を閉じる必要もないんだが、そうなると視界が二重になるからとりあえず野々野足軽は目を閉じてみ…
どうやら私はただの興味で世界崩壊の鍵を一つ開けてしまったらしい。まあけど……ほら、これって私だけのせいじゃないよね。だって元は教会だ! 「そう、これは教会が全て悪い!!」 だってあいつらがあの扉を顕現させた。それがこの世界に本格的に火を付けた…
「試しに……」 私は一つの都市核を開放してみた。すると都市核は台座から離れて、ふわりと浮いた。そしてフラフラ~と飛んでいく……と思ったけど、そんなことはなかった。いきなりその場から消えたんだ。シュッ――てね。 そして外の空中にまた現れた。それも扉…
『はわわわほわ! 大変です! パンパンですよ! まだやるんですか!?』 『あはは! 人間って面白いな。ずっとやってるよアイツラ。ほらほら』 『やめ! やめてください!』 小さな天使っ子と悪魔っ子がそんなやり取りをしてた。それは野々野足軽が悪魔の力…
「まあけど飛び出せないけどね」 自立的に都市核はハマってる台座から飛び出そうとしてる。けどそれは出来てない。なにせちゃんとロック機構を仕込んでたからね。それに……だ。はっきり言ってあの台座だって私が用意したのだ。そんなやわな材質で作ってない。…
「あっ――あん! うっ――あっ!」 「行くぞ! 出すぞ!」 「うっん……中にっ……あっ」 肉が打ち付ける音が響いてた。男女の声が絡み合い、その部屋には息苦しいくらいの熱気がはびこってる。そして男女は体を小刻みに動かしてその態勢を維持してた。けどふと力が…
「扉……か?」 「はい! あそこから嫌な感じがします!」 「だが、私には変化は分からないが? それにあの扉を使うためには都市核が必要なはず。それは我々が確保してる限り、教会側に揃う事はない」 「恐れ入ります王様」 「アイ殿」 なんかいつの間にかアイ…
「根本か……」 私はコクピットで一人、そうつぶやく。すると、また別の光が走る。 「勇者?」 「これは……」 いや違う。勇者はその光に疑問を持ってるようだ。となるとアイ? いや、それも違う。私のドローンがある映像をピックアップした。そこには…… 「ネナ…
「とりあえず……」 野々野足軽はこの初めての力を楽しいからと撃ちまくる……なんてことはしない。なにせ野々野足軽はこの力が強大だと感じてる。下手に撃つと何が起きるか、どんな影響が起きるかわからない。だからこそ、この力の元……それを使うことにした。そ…
(これは……) ガスッ――ガスッ――と何かがぶつかる感覚。見えないけど、何かはわかる。これは風だ。圧縮された風をどうやらあのドラゴンは飛ばしてきてる。けどそれは野々野足軽まで届いてない。でもそれは決して軽い攻撃な訳じゃない。下手にドラゴンが上で野…
『あなた達、何をやってるんですか?』 私はそんな他責的な言葉を外にいる勇者とアイにいってやる。だって私は悪くないし? 外気にさらされてる二人がまっさきに気付くべきだよね? うん。確かに戦況の環境とかも私はモニタリングしてるが……こっちからしたら…
「すごい……」 野々野足軽はそう呟いた。それはドラゴンへと言ったわけじゃない。今使ってる自身の力……それに驚いてる。まさに弾丸の様に迫るドラゴンだ。あの質量……そしてあの硬さ……それで迫ってくるドラゴンはまさに狂気で、トラックなんて目じゃなく、新幹…
「勝った……のか?」 「俺達の勝利?」 「うっ……」 「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」 そんな歓喜の声が巻き起こる。けどそれも仕方ない。私がここで「…
「別にあなたのせいじゃ……」 『いいえ、これは私のせいです。あの子は私の絶望によって生まれたのですから……』 野々野足軽の言葉に風の女性はそういった。それに対して野々野足軽は「やっぱり」と思った。彼女はもともとは風の子と風の少女だった。二人が合…
本命はあっちだ。結局のところ、教会側にとっても、波は手段でしか無い。そう、あの扉を開くための……ね。教会の奴らの上の方はそもそもがこの戦場にも来てない。奴らは教会の奥で変な儀式をやってる。そこには人外とそして本当の教会の上層部がいて、今やそ…
迫ってくる白い軍団。それは進化を重ねた砂獣の軍勢。それらが砂埃を上げながら迫ってきてた。再びそれだけの軍勢を見て、さっきまでオロオロとしてた教会の奴らは―― 『まだまだだ!!』 『そうだ、波に終わりなど無い!!』 『貴様たちが絶望をして死にゆく…
その日、何人の人がその声を……叫びを聞いてたのか。ある30代、山を登ってた男性はいった。 『あれには驚きました。最初はそれこそ気の所為だと思ったんです。それか熊か……でも明らかに熊とは違うし、なんか空の方から聞こえてました。それにその日は色々と変…
「なんっ!?」 『そうでしたね。あれも私の一部です』 穴の中からドラゴンのでっかい爪が出てきてた。それのせいで、穴はそのままだけど、その穴を中心に空にヒビが入ってた。せっかくいい雰囲気だったのに……と野々野足軽は思う。というか、既にもう解決し…
「なんだこれ……」 誰かがそんな事をいったらしい。眼の前の光景……それが信じられなかったんだろう。 「ははっ」 誰かがそんな風に笑ったらしい。眼の前の光景をみて、思わずそんな笑いが出たらしい。そこにあったのは喜びとかでも、ましてや興奮でもなかった…
(ちょっと誰よ!) ポカっとされた風の少女は感動を台無しにされたからか、怒ってる。まあけど野々野足軽的には助かったといえる。なにせさっきのままでは地上がどうなってたのかわからない。風の少女の気持ちに呼応したことで強力な竜巻ができてた。自分た…