2024-01-01から1年間の記事一覧
「なにやってるの! さっさとやるわよ!!」 鬼女がそんな事言ってくる。彼女は無数の魑魅魍魎を殴り、蹴り、そして口に含んで租借したりして思う存分戦ってる。よく見たら鬼女の体には何やら模様が浮かんでる。なんだろう? と思う野々野小頭。すると鬼男が…
なんでシールドなんて与えたのか? と誰もが思うでしょう。だってシールド・盾と言うのはその対象を『守る』のがその目的だからです。倒すべき敵を守る物を与える。 それは確かに矛盾と言えます。けどそんなのは私だってわかってます。だからこそ、これはた…
「その日も何も変わらない。いつもの日常だった。いつものようにアフィラから襲来し来る敵を頭の元に討伐してた。いや、ひと段落した後だったな。 俺達鬼に刻まれた印。それの調整をしてた時、新たにゲートが開こうとしてた。だがそれは早すぎた。そんなわけ…
私はある仕掛けを施してます。私が攻撃した目玉たちはとてもよく飛びます。それに加えてよく跳ねるのです。本当なら目玉にはそんな弾性はないでしょう。だってとても堅そうですしね。 そんないい音で連鎖していく……なんてそんなわけないのです。本当なら後方…
鬼女の戦闘は荒々しい。そこそこ離れてるはずなのにさっきから激しい風と音が襲ってきてる。よしんばまだ風や音はマシだ。時々が石やら、それこそ魑魅魍魎が飛んできたりする。 けどその時は鬼男がさりげなく野々野小頭を守ってくれる。だから無事な訳だけど…
なんか最近、上から来なくなりました。目玉たちは床すれすれを滑る様に向かってきます。私がポニ子アーマーではなくなって、肉弾戦主体で戦うようになったからでしょうか? 空の方へ吹き飛ばされたら、沢山の仲間を巻き添えにしてしまうという配慮? いえ、…
ぐうぅぅぅ―― そんな風な音が夏空に響く。夏空だけど空気的にはさわやかとかじゃない。田舎だし、山の中だし、本当ならさわやかな状況のはずだ。けどここはそんなことは全然ない。小頭は嫌な感覚をずっと感じてる。まるでねばつくような、ねっとりした空気。…
今まではポニ子アーマーの特徴、それを使って大量の目玉を巻き込むことで一掃してきました。けど今の私の腕や脚は勿論だけど、伸びる……なんて事はありません。それを出来そうもないです。 もしかしたらこのチョーカーから供給される有り余るほどのエネルギー…
バン! バン! バン! 地獄の門から出てきた巨大な腕。赤黒く、筋肉質のその腕はとても大きいが、なんとなく小頭を抱えてる鬼の腕に似てると思った。そのスケールは数十倍は違うが、小さくしたらこの小頭を抱えてる鬼の腕になりそう。けどやっぱりその大きさ…
「つっ……はあはあ……」 まずいです。なんとか周囲の目玉は破壊できました。どうやらプニちゃんに包まれて、それによって電撃が目玉たちにも届くようになった。するとそのせいでしょう。電撃が予想以上に効きました。 いえ、多分巻き込まれた目玉達の電撃も暴…
鬼たちは野々野小頭をある所に連れて来た。それはかなり深い山の奥。でも……それは異常……と言って差し支えないだろう。実際起きてからずっと異常だらけだから、これ以上なにに驚くことがあるのか……とちょっとは考えてた。 最近の出来事で、小頭だってそこら辺…
私の、というかポニ子アーマーの腕を取った目玉によって私は振り回されます。グルんグルんとされて、このまま投げ飛ばされるのかと思ったら、更に別の目玉たちの腕が伸びてきました。 放り投げるんじゃなく、押さえつける……そうしようとしてるみたいです。確…
違和感は少しずつ……けど確実に私にそれを示して来ます。 「あれ?」 そう思ったのは本当に僅かな違和感。最初はそれこそ私は結構大雑把に目玉たちを攻撃してたからそれは起きても仕方ないと思ってた。だってたくさんを巻き込むことを私は狙ってる。だから数…
一体何が起きたのか。そして兄である野々野足軽たちに何があったのか……鬼は走りながら語ってくれるらしい。どうやら鬼も、わかってることは完全ではないらしい。 完全ではないというのはどうして野々野足軽が鬼に入れ代わったのかの理由が100%ではない……と…
厄介……あれは厄介です。どう考えてもまずいと言えます。幸いなのは、どうやらあの小さな目玉は完全には目玉を修理することはできないよう……ということです。 何故にそれがわかるのか……それは簡単です。なにせあのミニサイズの目玉が直した目玉はきれいではな…
「貴方たちは一体何なんですか!?」 堪能されてしまった野々野小頭はもうどうでもよくなったのか、尊厳を破壊されて自暴自棄になってるのか、二人の鬼へとそう啖呵を切った。暑い日差しの中、鬼の二人はその日差しさえ涼し気に受け流してる。小頭はそうはい…
「えっと……」 小頭は困惑してた。だって自転車でやってきたのは昨日までの幾代とは違ったからだ。小頭が覚えてる昨日までの幾代は健康的に焼けた小麦色の肌が眩しい美少女だ。それにこんな大人っぽい体ではなかった。いや、もちろん幾代も高校生らしい瑞々し…
「え? なんですかあれ?」 私は目玉と戦ってる中、ふとしたことにきづきました。なんだかあんまり目玉が減ってる気がしない……と思ってたんです。けどそれはここが目玉を作る場所だからだろうと思ってました。 実際その証拠にこの場所には大量の目玉がストッ…
(暑そうだな……) そんなふうに小頭は鬼を見てた。なにせ鬼の肌は黒い。いや浅黒いとかじゃなく、赤みが入った黒だ。まさに鬼らしいといえば鬼らしいだろう。けどそんな肌の色をしてるし、今は夏である。 そして鬼が立ってる場所はもろに日向。さっきから汗…
私はアイ様に周囲の目玉を引き受けると宣言しました。ならばやるしかない。役立たずで居ないためには、いったことはちゃんと遂行しないと行けません。 「やっぱりだめでした!」 なんてそんな……それでもお二人共許してくれるでしょうけど、これ以上迷惑をか…
「どっ――こい――――しょおおおおおおおおおおおおおおお!!」 私は勢いをつけるために床に着地する勢いも利用することにしました。自身の右腕を左腕で支えて、勢いをつけて床を目指すと同時にグググッと右腕を引きます。けどまだ……まだ目玉は動きはしません。…
「うう……」 小頭はフラフラとしてた。目的の場所にはついてた。いや実際ここが目的の場所なのかどうか、実はあんまり覚えてない。一応最近はだいたいラインでそういうやりとりをすると思うけど、幾代ちゃんはそんな事しないんだよね。ただ分かれる時に次はこ…
黒煙の向こうから、いえ黒煙の方向だけじゃないですね。私の背後、それこそ勇者様達側からもやってきますね。私が攻撃をしたことでスイッチが再び入ったみたいです。向かってくる彼らの腕が私に向かって伸びてきます。 私はポニ子アーマーの腕を伸ばしてこの…
「ちょっと! ちょっと放してよ!!」 そんな風に野々野小頭は叫んでる。どういう状況なのかというと、走ってた。うん、もっと具体的にいうと、鬼が小頭をお姫様抱っこして高速で田舎道を走ってるのだ。 どうしてそうなったのか……それは少し前にさかのぼる。…
「私は……あれは周囲の目玉も使ってると思います。信号……会話をしてるのはきっと私達の情報を共有してるからではないでしょうか?」 コクリとアイ様が頷いてくれます。あれは腕だけなのにやたらと動きが正確です。その答えはきっとこの周囲の目玉たちなのです…
最低な私がどうやって名誉挽回するか……そもそも挽回というのがおかしいのかもしれません。だって、お二人はきっとそんなことは思ってません。私が逃げ出そうとしたことだってわかってないでしょう。 だからこれは……ただ私が自分自身を許せないだけです。自分…
いやだった……といってもここは田舎だ。地元ではない。なので小頭としては結局足軽……となってる鬼と一緒にいるしかないのである。 もしもここが小頭にとっての地元である場所なら、それこそ友達の所に逃げる……とか出来た。でもこの田舎には知り合いなんていな…
「ほら、さっさと食べなさい」 遅めの朝食の時間。食卓には小頭と足軽……に成り代わってる鬼が座ってる。既にお爺ちゃんもおばあちゃんもなにか用事があるようで外に出てるらしい。それに父親もだ。出されたのは白飯に味噌汁。あとはおばあちゃんが漬けてた漬…
強い……ただの二本の腕なのに、その強さは計り知れないものがあります。まさか攻撃の制御まで奪えるなんて……どこにそんな頭が? だって頭ないですよ? 頭がないのに考えて、理解して、こっちに対応して更にはこっちの動きを上回ってくるのです。 それは頭がな…
「きゃあああああああああああああああああああああああ!!」 ドタバタと階段を下りていく小頭。すると階段の下の方からひょこっと母親が顔を出してくる。 「ど、どうしたの小頭?」 「お母さん! お兄ちゃんが!! お兄ちゃんが鬼に! ううん、鬼がお兄ち…