2020-01-01から1年間の記事一覧
この部屋はとても明るい。まるで外が昼間かのようだ。実際、既に日は傾いてる。なにせ色々とあったからな。昼間の内にって訳にはいかなかった。けど、なんとかまだ日がある内にここにたどり着けた訳だが……こんなに明るい訳はない。だからと言って、この部屋…
俺は時々ローワイヤと共に、ピローネやペニーニャイアンにイジられつつ、お茶の時間を過ごしてた。実際話す機会はあんまりない。せめて相槌を打ったりしつつ、ローワイヤさんに視線を向ける程度だ。するとそれを目ざとく見つけたピローネにからかわられたり…
(まあ自分は多分毒とかでも大丈夫だと思う……) 最悪な。毒が入ってても俺は多分どうにでもなる。この体は少しの毒くらいでどうにかなるようなものとは思えない。寧ろ毒とか浄化しそうだし。 だから自分はいい……俺はローワイヤさんのほうを見る。 (消すなら…
俺達は出された椅子に座った。一段高い場所にペニーニャイアンが居て、その下に俺達がいる……みたいな感じだ。中央の透明なテーブルには凝った作りのお菓子がある。でも飲み物はペニーニャイアンさんの一個しかなかったから、彼女がその扇子をテーブルにさっ…
「ふふ、どちら様でしょう? 私は神託の三柱の一人ペニーニャイアンと申します」 そう言って縦ロールの彼女は口元を隠してた扇子をおろして、微笑んだ。さっきまでの鋭い視線が嘘の様な柔和な笑み。男なら、そんな笑顔を向けられたら、一気に彼女が好きにな…
「ちょっ!?」 ローワイヤさんが入った直後にもとに戻りだした黒い鏡。それはつまり、ペニーニャイアンが俺の事を締め出そうとしてると言うことだ。 ピローネの言葉を信じるのなら、そういう事になる。なにせペニーニャイアンはこの建物全体を掌握してるは…
廊下も壁も内部まで鏡面に成ってて、一歩踏み出すと、至る所に自分が反射されてて、方向感覚なくなる……そんな建物内部だった。俺達はそんな鏡面だらけの廊下をゆっくりと歩いてる。ただまっすぐに進んでるはずなのに、本当にそうなのかって思う感覚に陥る。 …
不思議な形をした建物は実はどこが玄関なのか分かりづらい。今は目の前にこの屋敷の使用人達が出張って来てるから、多分このまま真っ直ぐに進めば扉があるんだろう……って思うが、実際キラキラと周囲を反射してるあの三角の建物には扉――的な物はみえないのだ…
「あの旦那……俺達は……ここで分かれるのは不味いのでは?」 「ああ〰」 なんとか俺がローワイヤさんについて行ける様になったと思ったらこっちの奴らも不安がってたか。まあ問答無用で人々を化け物に変えるような連中で、それに罪悪感さえないような奴らであ…
『おかえりなさいませローワイヤ様!』 そう言って玄関前に並んでる執事やメイドさんが頭を下げる。実際、こっちにもメイドはいる。フェアも今は一応ローワイヤさんのメイドである。けどかっちりとした服を着てるわけではない。 俺も自分の世界のメイドの基…
「ローワイヤさん、馬車に戻らなくていいんですか?」 俺達は先頭の幼女、ピローネちゃんの歩幅に合わせてるから、進みとしてはかなり襲い。てか、普通に道端の花とかに寄っていったりするからなかなか進まないのか本当だ。 てかここの花とかこの道の植木と…
「おい……あれは……何をしてるんだ? 何してるんだ!!」 賞金稼ぎの一人が激高してそういってる。するとケラケラと笑ってピローネと呼ばれる幼女が言った。 「何って食事ですよ? ついでにお掃除でもありますね」 「あれは……人間なんだぞ?」 「あははは、あ…
「どういう事だ!! なんで!」 「おい! 生きて――るわけないか」 賞金稼ぎの奴らが今の光景に思わず動き出したが、時既に遅かった。さっきの猟奇的な光景は映像とかじゃなく、現実みたいだ。小屋の内部には血の匂いが充満してる。 これを見せて入らせるって…
「すみません、よろしいでしょうか?」 そういうけど、何やら反応してくれない。聞こえなかったのかな? とかおもって、何回か声を掛けるが一向に向こうは何も返さない。いや、一応……というかめっちゃ目あってますよね? なにせこの門の側の……というか併設し…
仮面の奴らに案内させたら、案外あっさりとその屋敷まで来ることが出来た。いや、てかびっくりなんだけど……かなりの高さの場所にでかい建物がバンバン建ってる。てかこれ、確実に中央に来るまでに見えないとおかしいと思う。だって既に壁よりも高いぞ。 しか…
俺達はさっきの場所から少し離れた上に向かって伸びてる道の上で立ち止まる。実際馬車なんかが立ち止まったら邪魔過ぎる道幅だが、文句を言うものはいない。 なにせこの道、つながってる所が地上しかないからな。地上の事を忌み嫌ってる……というかバカにして…
「なんたコイツ等? 気持ち悪い。というかその仮面が気持ち悪いんだよ。取ってやる」 「あっおい」 取れないよって教えてやろうと思ったが、時既に遅く、賞金稼ぎの一人が仮面の奴の仮面に手を掛けた。 「んな? なんだこれ? とれないぞ? 「やめ……やめんか…
はっきり言って、自分たちが持ってきてた食料なんてほぼ足りなかった。最初はただ食料を置いて行こかと思ったんだけど……ここの奴らには秩序やら、譲り合い……そんな高尚な精神はかけらもなかった。 だから食料を置いて行ってしまったら、子供たちがそれを獲得…
「まあ本当にそうなら、たしかになんの心配もないんだけど……」 そうなると、ここをどうにかするために動かす理由がね。別に建物が崩れないなら、それはそれでいいけどさ、でもここに住み着いてる人以下としか見られてない人たちはどうするんだ? この変質し…
中央が絶対に崩れない理由……それは―― 「この地には神が降り立ったのです。そして此の地を私たちに献上しなさった。ですからこの地は特別なのです」 ――ローワイヤさんは両手を組んで、まるでお祈りでも捧げる様にそういった。なるほど……俺は別の人達をみる。…
中央という都市は空と溶け合うように聳えてる荘厳な都市だと思う。俺が前にいた世界の王都とか帝都とか呼ばれてた都市だって比較しても遜色……いやそれどころか、上回ってるまであるだろう。 なにせこの中央だけ、他の街とかけ離れている。別世界みたいたな感…
「おほん、そうですね。うん、哀れですね。彼らはとても哀れな生き物です」 なんか必死に取り繕った様な事を言ってるくるローワイヤさん。いや溢れてるからね。こんな小汚い……いやっめっちゃ汚い人たちどうなってもいいって感じがかくしきれてない。 「ロー…
とりあえず変質した人たちはなんとか……そうなんとか元に戻す事が出来た。かなりの力を使ったからこれからが不安になったが……だが実際、この世界に来てほぼ宵以外で力を消耗する程に感じたことなんかない。つまりはそのレベルって事だ。実際この仮面の奴らの…
「そんな……バカな……」 そんな仮面の声が聞こえる。けど反応してる余裕はない。俺は大粒の汗を垂らしながら、最後の仕上げを行ってるからだ。再構築を進めていく中で、痛みは段々と引いていった。多分そういう成分よりも、正常な部分が多くなったからだと思う…
「そんな事、出来るわけがない。無駄な事だそ! そいつらの太陽への帰還を邪魔するな!!」 後ろから拘束された仮面の奴らがギャイギャイとうるさい事を言ってきてる。コイツラ的には太陽への帰還はきっと楽園へと至る――とかそういうことなんだろう。死して…
一応一回変質した人たちを軽くは診断した。それでは流石に内部まで変わってしまった人たちをどうすることも出来ないと判断したわけだが……実際、変質させた張本人達が戻すことは出来ないと宣言した事で、彼らの命運は決まった様な物。それはただ、安らかに死…
「我々は……」 仮面の奴らは案の定だけど、なかなか口を開かない。そもそも口があるのか……いや仮面のせいで見えないからね。しかも俺はあの仮面が直付けなのを知ってる。声が出せるのはわかってるけど、どうやって声を出してるのかは謎なんだ。 「おい、さっ…
(流石に力の差くらいわかっただろう) 奴らはさっきの俺の行動も、その前の行動もほとんど認識できてなかったはずだ。認識の埒外の事が起きてた。なにかが起きてた――でもその何か――はわからない。そのわからないは恐怖へとつながる。でもその何かに怯えるか…
「そんなはずがないと言われても……」 「この!」 再び針を投げてくる刺客たち。いくら投げつけられても意味なんてないから俺はそれを受けつつあるき出した。 「馬鹿な! 馬鹿な!! 馬鹿なあああああああ!!」 とうとう腕が届きそうになるくらいまで近づい…
#天王寺璃奈 天王寺璃奈 - uenoutaのイラスト - pixiv りなりーの話し、アニメ第六話? でしたっけ。良かったです。まありなりーの悩みとかの部分とか色々と重い部分もありましたけど、はっきり言えば、そんなこたぁどうだってよかったですね。 いや、そこら…