uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 180

(流石に力の差くらいわかっただろう)
 
 奴らはさっきの俺の行動も、その前の行動もほとんど認識できてなかったはずだ。認識の埒外の事が起きてた。なにかが起きてた――でもその何か――はわからない。そのわからないは恐怖へとつながる。でもその何かに怯えるか、それとももっと他の反応をするかは人によってちがう。この人達はどっちだろう? と俺は興味深く観察してる。
 
「なるほど……そういうことか。いるんだろう他の組織の者が!!」
「うん?」
 
 どういうことだ? 何やら残った二人の内の一人がそんな事を言い出した。するともう一人のやつも「なるほど」などと呟き、周囲に視線を走らせてる。まあ確かにここは中央の地面に近い一角。陽の光はとどかず、建物が異様に密集してるせいで空気さえ淀んだはっきり言って環境最悪な場所だ。建物の壁とかなんかかびてたり、ひびはいってたりしてる。そこから入れそうな部分だってある。それに暗さの中に建物同士の影や隙間で更に暗いところはそこら中にある。
 潜む場所は無数にあると言っていい。だから彼らは今の俺の常識はずれな行動が、俺の手によるものだとは思えなかった……ということだろう。俺が一瞬で移動して仲間を倒した……という事実よりも、どこかに潜んでる別の勢力的な側が介入をしてきた――と考える方が納得出来るんだ。
 
「いつの間に接触してた? いや、別にそうじゃないのか……俺達は最初の当て馬か? だが、一番はじめだからこそ、貴様を捕らえたら大きい。俺達はそれで――」
 
とりあえず可愛そうに成ってきたから、そのべらべらと喋ってる口を塞いでやった。部率的にじゃない。手を向けてその喉を力で絞ってる。勿論二人同時にだ。俺の腕は届く位置にはない。だが、彼らは苦しそうだ。まあ仮面で表情は見えないが……でも苦しそうに腕で喉を掻いてるからな。でもそんな事をしたって意味はない。なにせ力は触れられるものではない。彼奴等にはそれはできない。そして結局そのまま、二人も倒れた。これで敵は居なく成っただろう。とりあえずそいつら全員を抱えて俺は、馬車のところまで戻った。
 
「全員を一人で……俺達の立場は……」
 
 とか賞金稼ぎの一人が言ってたが、役には立ってくれたと思う。なにせ俺が一時的にでもローワイヤさんから離れる事が出来たのは彼らのおかげだ。おかげで一網打尽に出来たわけだしな。さて……俺は周囲に結界を展開して彼らの目を強制的に目覚めさせる。
 
「ふん」
 
 とりあえず軽く蹴って見た。実際酷いことをやってきた奴らだ。取り返しがつかないこともしてる。まあそれは実際これから判明することだが、だけど……あの変質してしまった人たちは多分もう
一応調べてはみたんだ。軽く。力を細かく制御すれば、診察程度の事は出来る様になった。それで見たところ……あの変質してしまった人たちは人ではない。当たり前なんだが……もっと具体的に言うと、人の面影もないってことた。たから多分、もとに戻す……なんて事はきっとできない。今は一応俺が更に強力な魔法で縛ってある。止めを刺すのが、彼らには一番いいんだと思うが、俺の診察も絶対じゃない。術者たちに聞くのが一番いいだろうって事でまだ生かしてる。
 
「ここ……は……」
「あなた達は協会の暗部ですね。私を狙った理由を答えなさい。そして誰からの指示かも」
 
 ローワイヤさんは馬車の中から、姿を見せずに声だけをつたえてる。そっちの方がいいだろうってことだ。それにこいつ等への質問役もローワイヤさんがいいんじゃないかって事で任せてる。俺達には色々と分かってないことが多いからな。とりあえず色々と上手くやってくれる事を願おう。でもいざとなったら……それなりの事をする必要があるだろうけどな。