uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1072

「う……ん」
「大丈夫、アイさん?」
「大丈夫であるかアイ殿?」
「……そうですか……なるほど……大丈夫です。そして……もうきっと大丈夫です」
 
 私は上半身を起こしつつそう言います。まずは皆さんの顔を見回した後に空へと目を向けました。そして状況を理解……いえ、ダウンロードしました。でも私は一瞬で全てを理解しましたが、眼の前の方々はそうじゃないらしいですね。
 
「えっと……アイさん?」
 
 私はそんな風に心配してくれるネナンちゃんをナデナデするために引き寄せました。ちょっと関節とかからギギギと異音がしますが……この程度は問題なんて無い。なにせ……です。どうやら彼女がちゃんと気を利かせてくれたらしい。私には今、潤沢なエネルギーがあります。すぐに修復できます。私に強制的に譲渡されてたこの世界の力……それを十分な量、ユグドラシルシステムで変換して渡されたみたいです。それを修復に回せばこの辛さも……
 
「理解して無いようですね。大丈夫、今世界はきちんとした手順を踏ん出るのです」
「アイ殿、きちんとした手順とはどういう事だろうか? この現象は一体?」
 
 王様がそう言ってきます。実際わからないでしょうね。きちんとこのシステムを知ってたのはきっと教会だけ……それもきっとトップだけでしょう。いえ、教会さえ、失伝してた可能性はあります。
 
 なにせこれは世界の情報を読み取って解析してたことで見えてきた事。勿論この世界にちゃんとヒントはあったようですけど……それでもたどり着いた人はいなかったでしょうし、それに……
 
(そもそもが辿り着くことはなんてもう不可能だった)
 
 そういう事になります。なにせ多くの町はすでに失われてるのですから。その時点ですでに……でも必要なプロセスをあの子は無理矢理再現して発動しているようです。ここまで出来るようになってるとは……頭良くないと思ってましたけど、そうでもなかったみたいですね。
 脳の拡張のおかげでしょうか? いえアレは記憶力とかメモリ的な物のことで、元来の頭の良さには起因しないはずだったような? それを考えると実はあの子が私が思ってたよりもずっと賢かった……ということになります。
 
 私が不要……とか言われてるようでちょっと不快ですが、成長が嬉しくもあるのはまた事実。とりあえず私は自分が把握できてる事をここにいる皆さんに説明しましょう。