成金ハゲから出てきた変なのが何をやるのかと思ったら、どうやらこっちを見てる様だ。G-01は宮殿の一角で膝を抱えてる。その態勢のまま、微動だにしてない。奴はあの変なのの視界を共有してるのかな?
「ふん、なにが神の使者か――アレもこの世界のルールに縛られてるではないか」
どうやら一応私の事を警戒はしてたようだ。でも私が動いてないのを見るに、余裕が更に出てきたのか、変なのがG-01の側までくる。そしてパンチしてきた。ガン!! と音が響く。更にもう一発。
本体である成金ハゲはその場でパンチの仕草しつつなんかいってる。
「この! この! 欲も昼間は私の邪魔を!!」
その度に成金ハゲから出てる変なのもパンチをしてくる。その度にガンガンと音が響く。
「ダメージは?」
『皆無です』
悲しいかな……何の影響もない。まあここは動いてはいけないところだ。一応直前で痛覚のフィードバックを提げてたんだけど、どうやら必要なかったみたい。けど流石にこれが最大出力ではないだろうし、一応この変なのは警戒しておこう。こう言う力もあるってね。
「ふう……今はこのくらいで勘弁してやろう。だが私に恥を掻かせたんだ。かならずスクラップにしてやる」
うわぁーだ。こいつ出てきて一回でも聖職者らしいこと言った? もうこいつを見てるだけで、協会って言う組織が腐敗し尽くしてるんだろうなって想像できる。アズバインバカラの協会の神父さんはいい人だってしってるが、あそこはこいつらの様な本筋? からは切り離されてるとかちょっと聞いたからね。だからあの神父さんは協会関係者とはいえないよね。除外だ。
ある程度私を殴って憂さ晴らしした成金ハゲは分身みたいなそれを自身の背後に戻して歩みを始める。もう扉は自分で開けずに全て背後の存在に任せてる。まあ流石にお偉いさんが居る場所だしね。罠とか仕掛けはある。宵にも作動させてる所を見るに、こういうことを警戒してると言う事だよね。
まあ悉くを成金ハゲの背後の存在がなぎ払ってるが。対策はしてたが、意味をなしてないね。でもこれで宵に動ける者が居るってわかるのでは? いや、わかってはいるから罠は用意されてるんだよね。本当なら、その確証が欲しいんだろう。でも協会側は多分一枚も二枚も上手で、宵に動ける存在がいるということ自体は隠蔽はしてないんだろう。
何人宵を使って殺してきたかわからないが、そんなことを続ければ、勿論警戒されるからね。それを隠蔽なんてそれこそ記憶改ざんとかしないと不可能だ。だから宵に動ける奴がいるっていう事は匂わせるけども、尻尾は掴ませない。そういう風にしてるんじゃないだろうか?
「でも、それも今日までだね」
なにせG-01は映像を残せる。これは言い逃れできない証拠だ。私がそれを提出すれば、あとは私か動くことはない。きっと色々なところが協会と言う組織に反旗を翻すんじゃないかな? そんな事を考えてると成金ハゲは遂にネナンちゃんの寝室にたどり着く。