uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 343

「貴様、今まで面倒を見てきた協会を裏切るというのか!」
 
 魔王とそのヘメ・レペスとか言われてたその人の会話に、再び協会の連中が入ってきた。一回魔王に一睨みされて怖じ気づいたと思ったんだけど、どうやら流石に今の発言を聞き逃すなんて事は出来なかったみたいだ。なにせなんか彼がやれなかったことを魔王ならやれる――みたいなことを言ってたしね。
 
 ヘメ・レペス――というのは彼のように罪を背負った人たちのことらしい。その罪は大昔に世界をこんな風にしてしまった――というのはなんとなく会話の流れからわかった。
 
 つまりこの人はとても長い時間を生きて、普通ではない。そしてそういう存在がまだ他にもいる。さらに何か魔王に見いだしてる。この特殊なヘメ・レペスという存在はもしかして協会にとってとても致命を与えることが出来る存在かもしれない。
 何せこの世界が変わる前から生きてる存在だ。その説得力ってかなりのものじゃん。味方につけたら、かなり有能なのでは?
 
「五月蠅いぞ貴様ら」
「「「ひい!?」」」
 
 魔王に対抗する意思もない協会の奴らはやっぱり魔王の睨み一つで震え上がった。
 
「なぜ、あんな奴らに従ってる? 太古を知ってるのだろう? ならお前達の方が偉くてもおかしくないだろうに」
「私たちは罪人ですから。今の地位を私たちが選んだのです」
「ふん、理解出来んな」
 
 確かに。それには私も同意するね。虐げられることを自ら望んだ――と? どんなMだよって思うよね。しかもかなりひどい扱いを受けてるみたいだしね。協会のクソさ加減を見るに、絶対に都合の良い実験動物とかにされてたんでは? と思うんだけど……それでも贖罪として協会に虐げられてきたのかな? まともな奴らじゃない。
 
「魔王……さん。貴方の目的は一体何なのでしょうか?」
「我の目的か? それは勿論、この世界を食らい、さらなる力を手に入れる事だ」
 
 そんな目的を定めた覚えないが……それってお前の本心でしょ。いいのそれいって? せめて胸に秘めておくべきでしょ。私だって聞いてるのに……
 
『お仕置きしますか?』
「別に良いよ。魔王が力に貪欲なのは知ってるし」
 
 命令には従ってくれるしね。それに存在として、魔王と勇者は私の……というかG-01の一部みたいな物だ。だから完全に反抗なんて出来ないのだ。
 
「この世界を食らう……」
「やはり悪魔の化身ではないか……」
 
 協会の奴らが魔王の発言を聞いて戦々恐々としてる。けどヘメ・レペスの奴はどうやら違うみたいだ。
 
「なるほど……それなら我らと手を組みませんか?」
 
 なんかいきなりヘッドハンティングを始めたぞ。案外大胆だねあの人。