「ほら、これ見て。この光……普通では絶対に灯せないような、この神秘的な光……ここにはきっと未確認生命体がいたに違いないよ」
そんなことをいうそうそうちゃんはリンクされてる動画を再生してる。その動画は家の中からなのか、紫に怪しく光る空が映し出されてる。
そしてそれを見て、なんかうっとりとしてるそうそうちゃん。けど野々野小頭はいうよ。
「え? これって、どっかのライトじゃないの?」
何の夢も希望もない。するとそうそうちゃんが「いやいやいやいやいや」と食い気味に反対してきた。
「何言ってるの? ちゃんと見てよ!」
「見てるって! 寄せるな!!」
興奮してるそうそうちゃんがパソコンを持ってその画面を小頭の顔に近づけてくる。それを小頭は手でなんとか防いでる。
「コードが危ないでしょ」
「これがそこらのライトに出せる光だとでも!?」
「確かになんか妖しい感じだけど、そこまでおかしい?」
確かにその光は少しずつその光を強めてるように見える。けど小頭的には最近のライトは大体強弱だってつけれるだろう……と思ってる。確かになんかなかなか濃い紫というか、青によったり赤によったり定まってないようにも見えたりする。
でもこれが特別なものなのか? ということを野々野小頭は判断できない。
「綺麗……だとは思うけど……それ以外に興味は持てないよね?」
「信じられない。この光の波長は既存のどんな物でも出さないんだよ?」
「なにそれ?」
「この神秘的な光をたくさんの人が調べたんだよ!」
どうやらいつの間にか科学的な検証が行われてるらしい。それによるとこの光は今の科学技術では再現できないと……いうことらしい。
(本当かな)
ネットでは言ったもの勝ち……的な感がある。だからそれが本当かなんて確かめようがない……と野々野小頭は思った。
「何回かこれと同じような光がここ最近観測されてるんだよね。それに……だよ。この光はこの町でしか観測されてない」
「それってつまり――」
「そう、この光の発生源はこの町にいるかもしれない」
そういって押し付けてたパソコンを引いてさらになんか、操作しだした。そして再び小頭へとパソコンの画面を向けた。
「ほかにはここ最近で一気に不思議な報告がSNS上で頻繁に上がってる。それもここに住んでる人たちの間で……だよ。つまりはこの不思議をまき散らしてる何かか絶対にこの町にいるの!!」
「でもたとえそんなのが居たとして、追いかけるのは危険じゃない?」
野々野小頭は真っ当なことを言って反対を表明した。けどそんなのは想定済みだというようにそうそうちゃんは「ちっちっち」とか指を振った。
その動作にちょっとイラっとする野々野小頭だ。