uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1029

 闇と光が混ざったような砂獣達。内部からパリパリと新たなその姿を表してくる。まさにその姿は脱皮のよう。そうして出てきたのは今度は真っ白な砂獣だ。蟻は蟻の砂獣のままだけど、その大きさはさらに大きくなってる。
 
「つっ、まだ今なら!」
 
 そう言って勇者が大きなミミズの砂獣を切りつけた。そいつは全長数十メートルとかなってる超巨大な砂獣だ。そいつも白くなってた。けど、勇者の一撃には流石にたえきれなかったみたいだ。いや……
 
「今なら行ける。皆、こいつらは脱皮直後で柔らかい! 攻撃をするんだ!!」
 
 そんな事を勇者が叫んだ。なるほど。確かに脱皮をした直後ってまだ固くなる前だもんね。これなら今の装備でも一気に砂獣共を切って切って切りまくるってことができるかも。勇者の言葉で皆が再び動き出した。手近な砂獣へと攻撃を叩き込んで行こうとする。けど……
 
「速い!?」
 
 どうやら確かに砂獣は今、柔らかくなってるみたいだが、聖騎士の力までも取り込んで更に砂獣は強化されたみたいだ。それに……なんか蟻の砂獣が口を開いてそこに光が収束してる。そしてそれを一斉に放った。
 
『まずっ!?』
 
 私は一回動いて再び膝を抱えて座ってたけど、これはまずいと思った。魔法を発動させて後方部隊の前に魔法障壁を展開させた。それによって後方部隊……つまりはネナンちゃんとか王様達は守れた。てかあのままだったら更に後ろのアズバインバカラまで届いてたかも。いや、間違いなく届いてた。あれは人を吹き飛ばした程度で止まるようなエネルギーではなかった。
 砂獣がどいつもこいつもあんなのを放てるようになった? そうなるとなかなかに厄介だよ。
 
「くっ、コイツ等!!」
「当たらない。速すぎる!」
 
 砂獣が再び勢いを増してる。それにきっとこれまでの事例からするに、これから波によって現れる砂獣はこの白い砂獣になるだろう。そうなると……まずいな。流石にこれ以上のパワーアップはそう簡単にさずけるなんて出来ないぞ。いくらミレナパウスさんが超回復をしまくってるといっても、それもあのアクセがある限りである。
 これだけ砂獣が強化されて致命傷を受ける人達が増えると、枯渇だって見えてくる。まったくどんだけ強化されるんだよって文句を言いたくなるね。それでも私にとっては雑魚だけど……一回部隊を下げて、私が一掃するか? それが一番確実だ。でもそこまでやるのは……ね。そんな事をするのなら、もう最初から私がG-01で前線に出てたら……ってなってくる。それに……
 
『まだ皆諦めてないか……』
 
 そう、この世界の人たちはまだ自分たちで自分たちの居場所を守ろうとしてる。だから私が先に見限る事はできなくない?