「このまま切り裂いてもいいけど――それよりも!!」
私はそう言ってうまくビームサーベルの出力を調整して、スパッといかないようにしたよ。どうしてそんな事をするのかって? それは……ね!!
「ふん!!」
私は差し込んだビームサーベルで僅かに鬼の腕が振り回してる棒の勢いを調整したのだ。完全に止めるってのは難しい。それはG-01の力……腕力でも、あの巨大な腕の力を抑えるのは厳しいからだ。それに回転によって勢いだって付いてるしね。
でも……あの鬼の腕は、棒の直線上にあって、そして更にその腕がうまく棒を回して、互いに当たらないようにしてた。めっちゃデカくて長い棒である。いや、そもそもが長さは自由自在、太さだって変えられるだろうそれを、別にそのままあの腕は振り回してる。
だからそのリズムをちょっとでも崩してやれば……ほらね。
鬼が振り回してた棒が、タイミングが僅かにズレたことで互いにぶつかりあった。それによって大きな隙きが生まれる……と思った。
「ん?」
なんかめっちゃコクピット内に警報がなりだした。まさにけたたましい――と言えるほどのそれに嫌な予感を覚える。
「くっ、形状変化! バルス散布!!」
私はそう言ってまずは持ってたビームサーベルのビームの形状を変化させた。なにせ刀身部分はエネルギー体なのだ。ある程度の自由は効く。なのでサーベルだったのを盾のように自身の前に広げた。更には全身の穴から白い蒸気を噴出。まあ蒸気ではないけどね。ナノデバイスだ。
これによって色々と通信妨害とか、姿を隠すとか、エネルギーの拡散とか、まあ色々と出来るナノデバイスを散布してる。なにせ警報がこれまで無いくらい……それこそこれは空獣と相対した時以来かもしれない。
なので過剰なくらいの安全策をとる。ぶつかりあった棒はガキィィィィとか言って弾けるんだと思ったけど、どうやら物体として弾けそうじゃない。そういうことじゃない。なんか弾ける=爆発する――みたいな事になりそうだ。
なんで? とおもうけど、そもそもが今回はなんでそうなる? って事が起こりまくってる。つまりは想定はなんてのは軽く超えてくる日なんだ。そんな事を思いながら、棒が核よりすごい爆発を起こす。