uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、でることはできません)輪廻の輪の外へ 38

 私は二つの目を合わせ鏡の様に向かい合わせる。とりあえずその内側に自分が……具体的にはG-01だけど……が入る。
 
「感じる……感じるよ」
 
 今の私はアビスの力を操る術を理解してるといっていい。しかもこの目と目が合わさっただけの力には方向性なんかない。ただ純粋な力である。私はこれの何倍も難しい力に合わせてきたのだ。最初の時はただなんか暖かいな~位しかわからなかった。けど今の私は違う。
 バージョンで言うと大型アップデートを挟んだ前と後くらいの違いである。
 
「そう、今までの私とは違うのだよ! 私とは!!」
 
 私はそう言って高笑いをする。軽い軽い。実際目よりも私のほうがでかいし、八割方目の視界を覆ってる訳だけど、力の循環はちゃんとしてる。だからどんどんと力が高まってるのがわかる。このままではそのうちこの力に耐えきれなくなって、アビスの目玉は崩壊する。
 けどそれをさせないために私が間に入ってるのだ。上手く私が緩衝材となることで、目には一定の力だけを渡していく。そしてどんどんと私へと力が溜まっていく。
 
「これってG-01が爆発するってことないよね?」
 
 それだけが心配である。だって目玉は吹き飛んでた。それがG-01で起きないといえるだろうか? でもAIがこう言ってくれる。
 
『その心配はありません。G-01のエネルギー貯蔵量ルドワの環の法則を組み込んでます』
「……なるほど!」
 
 ルドワの環が何かはしらないが、おそらくめちゃくちゃ蓄えられるということなんだろう。そういうことにしとく。まあけど、ある程度調整したら問題ないと判断できる訳だし、止めないとね。止める事までできたら、これもう、私はアビスの力を掌握したと同等ではないだろうか? 自分の才能が恐ろしい。
 
「さて、もういいかな?」
 
 私は何だか、お腹いっぱいになった気がする。もしかしてエネルギーが私の食事? 出したままのお腹をさする。別段膨れてるわけじゃない。寧ろ肌触り良すぎる位にスベスベだ。きっと異性とかなら舐めたくなる程のお腹だと思う。
 まあみせる事ってないんだろうけど。だってなんか私の全てってここで完結しそうなんだよね? 生理現象とかどうなるかわかんないけど、G-01は私がここだけで生きていける様に出来てる気がする。それにAIが外には出れない的な事を言ってたしね。
 エネルギーが私の食事でもおかしくない。まあそもそも食べものってエネルギーが形を成してるだけだけど。
 
「むむ……」
 
 私はお腹もいっぱいに成ったし、力に干渉してプツンと二つの目玉の循環を途切れさせる。すると二つの目玉は大人しくなった。よしよし、完璧だね。 
 
「では本命行きますか!」
『そうですね』
「今度は泊めないだ?」
『止める必要性を感じません』
 
 どうやらAIからのお墨付きももらったみたい。ようやく二人の復活の時だ。