uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 156

「勇者様は異世界から来られた……とか?」
「ええ、そうですね。この世界の人間ではないのは確かです」
「なにほど……ですからあり得ない事に私はこうやって五体満足なのですね。見てください……」
 
 そう言って彼女は腕……ではなくて、元々透けてたスカートを捲って生足を見せてくる。しかも結構……というかどこまであげる気だ? 付け根まで見えるぞ!!
 
「ちょ! ストップ!」
「ふふ、おかげでこんなに艶かしい足が得られました」
「得られたって……それは元々君の脚だ」
「でも、これは一度無くなったんです。私はもう……助からないと思いました。助かったとしても、私はもう以前の姿には戻れないはずでした。でも見てください。ほらほら! ちゃと見て!」
「いや……流石にそれは……」
 
 嬉しいのは伝わるし、感謝もちゃんと伝わってるから! だからその生足を押しつけてこようとするのやめてほしい。本当に際どいから。この世界の下着、なるべく薄く細く……最低限が多い。男なんて履いてない奴が多いし。女の人は一応あるけど、ほぼ紐みたいな物だ。大事な部分をピンポイントで隠すだけ……って感じ。それに毛とかはみ出ても気にしない的な……脇は処理してるみたいだけど、デリケートゾーンはそれぞれらしい。彼女はというと……いやいや、見ないから。
 
「落ち着いてください。たまたまです。貴女が幸運だった。それだけ」
「お礼を受け取ってはくれないんですか?」
「お礼とは?」
「私です!」
 
 わかってたけどね。この人は清楚な見た目をしてるのに、とてもぐいぐいとくる。何やら、命の恩人である俺に惚れた……と思ってるらしい。あり得ることだ。勇者なんてやってたらそれこそ女の人に言い寄られる事は沢山有った。だがそれは一時の気の迷いみたいなもの。俺は、誰かと一緒になれる程の立場ではない。勇者とは沢山の人を救うからこそ、誰か一人だけの者になんてなる事はできない。
 
「それは遠慮しておきます。そこまでの事ではないので」
「私にとってはそこまでの事です。それに、こんな傷物の私なんて、誰も貰ってくださりません!」
「そんな事はないと思いますよ? 貴女の体はとても綺麗ですから。傷物ではないでしょうし」
 
 後を残す様なヘマはしない。というか、普通に回復力を強化して治したから、綺麗になおってる筈だ。
 
「私は……貴方様が良いのです!」
 
 それは潔い真っ直ぐなまでの宣言だった。嬉しくないわけじゃない。彼女は美女だし、美しいと思うのも本音だ。けど自分の気持ちは善意であって恋心ではない。そんな俺が身勝手に彼女を振り回すのはダメだと思う。
 
「すみません。自分は貴女をそういう目で見てません」
 
 はっきりと言うことが大切だと俺はしってる。だから誤魔化すなんて事はしない。この出来事は事故とでも思って日常に戻って貰いたい。そもそも俺達は、いつまでもこの世界に居るなんて事はないんだから。