uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 168

 俺とローワイヤさん、それにフェアに腕の立つ賞金稼ぎでアズバインバカラを出発した。荷物もあるから、ラクダで必要なものを引いてる。ついでに中央の権力者たちに贈るための献上品とかもある。まあこっちは賄賂みたいなもので、本命はもっと大々的に喧伝して中央に入るらしいが……俺たちはそれよりも先に先行して中央に入り、色々と仕込むのも役目。そして協会の神託の巫女という置き土産が中央という魔境に入り込むきっかけにしたいんだ。
 
「勇者様、勇者様、お暑いでしょう? ここにいらしていいですよ?」
 
 流石にローワイヤさんを歩かせる……なんてことはできない。というか、それは無謀なので一応そういう献上品の馬車にスペースがあって女性が座るスペースがある。でも流石に俺まで行くのは……ね。
 
「いえ、流石に狭くなると思いますよ?」
「いいじゃないですか。それなら……抱きしめてくださっていいですよ?」
 
 それが狙いか。狭いから、くっつくのは自然なこと……そういうことにしたいらしい。でもそんなことを言ってるローワイヤさんを一緒の馬車に乗ってるフェアが頬を膨らませて見てる。でも何かいう……なんてことはしない。なぜならそれは身分が違うからだ。フェアはズンジャイサンバのただの平民だ。今はアズバインバカラの客人みたいな感じだが、それでも協会の大物であるローワイヤさんとは同列にはあつかえない。というか、それはローワイヤさんがいやらしぽ。
 
 そもそも最初から、ローワイヤさんは中央に凱旋するっと聞いて、もっと従者や馬車を多くするとことを望んでいた。そうやって派手に凱旋することで、自分の存在を中央の奴らに喧伝したいんだろう。でもそれはやめてもらって従者も少なくしたわけだけど……それが結構不満らしい。はっきり言って、ほぼ新人というか、ただ紛れ込ませてるだけのフェアは結構いびられてる。なにせ従者としての訓練なんて数日しかしてない。一応フェアのことは話したんだけど……ローワイヤさんにはそんなのどうでもいいらしい。
 
「へぇー大変だったのね。お祈りします」
 
 とか言っただけで、実際お祈りもしてなかったからね。荷物とかと同じ馬車のなかってのは本当なら絶対に嫌だーった駄々こねてたし……でもそこは俺が必死に説得した。まあ俺が言ったら「はい」と一瞬で手のひら返してたが。フェア的には自分にはいびってくるのに、俺にはベタベタとしてくるのが面白くないのはわかる。でも身分差が絶対的な壁としてある。俺は実際、機嫌を損ねたところで自分を守る手段なんていくらでもあるが、普通はそうじゃない。
 だからフェアは我慢するしかない。まあ絶対にいい気分にはならないといってても、一度中央を見たいと言って無理してついてきてるんだ。我慢はしてくれるだろう。
 
「だめですよローワイヤさん。砂獣が出るかもしれませんし」
「その時は賞金稼ぎの方々が戦うでしょう? 勇者様が外にいる必要ないじゃないですか。一緒に楽しいことをしましょう」
 
 なんかいやらしく聞こえる。それともやっぱりそういうこと? でもなんかローワイヤさんってこの数日で接してると、アピールするときは大胆に女って部分を使ってくるが、実は攻められると赤面とかする乙女でもあると気づいてる。だから……どっちかわからないな。実は生娘何じゃないかって疑惑も実はある。まあけど、中に行くことはしないけどね。丁度いい感じで、砂獣が出てきたしね。よく見る蟻タイプの砂獣だ。
 
「ちょっと僕が外にいる理由を見せますので、隠れないでくださいね」
「ああ……あああ」
 
 ? そうか、多分トラウマだ。砂獣か現れた瞬間、ローワイヤさんが体を震えだして固まった。まあかなりひどい目にあったんだ。体は回復したが、精神にダメージがあってもおかしくない。あれなら目を離すってことはないだろう。だから俺は、さっさと倒すことにする。