uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 425

「厄介すぎる!」
 
 攻撃に特化したムカデの進化型みたいな砂獣に防御特化の枯れ枝みたいな砂獣、そして蛾を更に進化させたみたいな砂獣。この三体が、まさに三位一体のように動き、しかも回復まで……これではいくらぶん殴ったところで無駄なのだ。
 どのくらい無駄かというと、とりあえず砂獣共をどれだけ痛めつけても、すぐに回復するくらいには無駄だ。それならその回復してる奴をぶったたけば良いじゃん――と思うかもしれないが、それをやってるのは鬼達だ。
 これが砂獣自身がその役目を負ってるのならまだ妨害のしようもあるよ。けど、それが鬼達となると……ね。私でも下手に手を出せない。
 
 私がこの小手で砂獣の体をどれだけ陥没させたり吹き飛ばしたりしても、鬼達は今も常にこねこねとしてる。ダメージを受けるとそのこねこねとした粘土のような物を飛ばしてそれが砂獣へとくっつくと、馴染んで回復される。
 
「これ……どうする?」
 
 私の狙いはあくまでも、まずは蛾のような砂獣だった。けど……三体の砂獣は上手く連携をとってるし、枯れ枝のような体をした砂獣の絶対に護るというその意志の強さ……いやこの場合は本能だとおもうが、それがなかなかに厄介。
 
 どれだけ吹っ飛ばしたと思っても、何故か一撃を蛾に加える段階になると、阻まれる。何回か攻撃してて気づいたが、どうやら蛾のような砂獣と枯れ枝のような砂獣は相互にリンクみたいな物があるような気がする。
 
 枯れ枝のような体の砂獣は蛾のような砂獣が危なくなると、多分だけど己の意思とか関係なく、近くに転送されてる。そして盾にされるって言うね。
 
「お前それで良いの?」
 
 とかいいたくなるが、それがきっとこの枯れ枝のような体の砂獣の存在意義なんだろう。
 
「これいくらやっても無駄じゃん」
 
 このままだといくらやっても倒すこと何て叶わないって気づいた。だっていくらでも鬼が回復させるんだ。こんな不毛なことはない。奴らがいなければこの三体の砂獣には勝てる。それは間違いない。
 けどここは宵だ。世界は全て奴らの手の中……いやあの鬼という存在すらもよくわかってない。こいつらが神と呼ばれる奴らに使役されてる存在なのか、それとも神自身なのか……まあ私的には流石に鬼が神とは思ってないけど、でもこうやって存在を作るのをみちゃうとね。もしかして……と思うところはある。
 
『無駄なら、どうします?』
「それは勿論……逃げる!」
 
 やっぱり今まで通り、宵は逃げるに限る――と言うことで私は逃げようとした。
 
「げっ……」
 
 そう思って後ろへと向かったら、鬼が居た。てか、なんか私達の周りを囲むように鬼が居る。確かに鬼はデカいが、それでも隙間はある。そこをつけば……とか思ったけどなんか背後の鬼が一斉に口を広げだした。楕円形のでこぼこした顔に三角のギザギザした線だけ入ってて開くことなんて無いと思ってたその口が開いて音にならない声が発せられる。その瞬間、G-01の体が砂獣達の方へと吹き飛ばされた。
 
「なにすんのよおおおおお!?」
 
 私はそんな文句を叫んだよ。