「はあはあ……苦しい……」
私の生命維持事態は必要だから取ってるが、それを最低限にしてるせいで、息苦しい。それに体もなんか重いしね。でもこれも、鬼の角をいただくまでだ。私は周囲に残ってる粒子を散布する。
そして宵の風景に溶け込むように、表面の塗装をいじる。これは光学迷彩……とかではない。自身の周囲に常に微細な粒子を散布することで、その粒子に反射する光を調節してる。それでG-01自身を隠してる。自身で表面の装甲の彩色をいじって光学迷彩的なことをしようと思えばできるが……それって結構頭使う。そっちの方が精度的には高いけどね。
なにせ常に周囲の状況に応じて、臨機応変に変化することできるからだ。今の方法だと、大雑把にしか隠れることは出来ない。だからようく見ればわかるっていうね。ゆっくり動くことしか出来ないし。
G-01自身の表面を常に変化させる方法なら早く動いたとしても、対応できる。もちろん、それを処理できる頭が必要になるけどね。なので頭が痛くなるのだ。私にはまだ流石にG-01の本気のスピードに対応しつつ光学迷彩を施せるほどの脳の処理能力がない。
だからこれで……私はゆっくりと鬼に近寄っていく。けど心持ちは急いでる。ゆっくりだけど、できるだけ速く……その心持ちだ。
「問題はどうやって万全の鬼の角をもぎ取るか……流石にビームサーベルを抜くと、その瞬間にバレるだろうし……」
かと言って素手であれをもぎ取れるか……といえば無理だ。でもあの角をスパッと切れる程のエネルギーを出力するには隠れるなんて不可能。どうしたら? どうしたらいい?
まずい、どんどんと近づいてるのに、方針が定まらない。てか手段が……万全な状態の鬼の角はその周囲に特殊な力場を形成してる。生半な攻撃ではその角まで攻撃を届けることは出来ない。
だからこそ、武器は必須だが……
「派手に動くと、他の鬼にも気づかれるだろうしね」
理想としてはさっと取ってさっと帰る……これである。でもそんな都合のいい方法があるか? と問われると、そんな方法はないと思える。
「なにかない?」
私は苦しい中、頭の中でG-01のマニュアルを開くよ。それでその膨大な機能の中からなにか使える機能はないか……と探す。