「さて、そろそろいいかな?」
私は形態変化した状態で、その体から大量のミサイルを降り注ぎ、砂獣を殲滅していった。それである程度減らすことが出来た。けど、波が終わった訳じゃない。もっともっとエネルギー事態を消費させたらそれこそ波も終わりを迎えそうではあるが……どうやら世界にとって砂獣とは省エネらしい。
特別な砂獣でも無い限り、そこまでエネルギーを消耗しなくても、世界は砂獣を生み出すことができる。だから普通なら、砂獣を倒して波を終わらせる……なんてのは現実的ではない。
だってそもそもが一番ポピュラーな蟻型の砂獣でさえ、そこらの人よりも強いし、軍人や賞金稼ぎの人でも複数人で挑まないと行けない……そんな感じの相手だったわけだ。
更には人には疲労がある。それに投入できる人的資源も限ってるとなれば、砂獣を殺し尽くして波を終わらせるってのは現実的ではない。最近はそれこそアズバインバカラやジャルバジャルの賞金稼ぎや軍隊は勇者や魔王のお陰で、強さの質? が上がってるし、血浄よりも効果的なパワーアップの方法を伝授されて強くなってはいる。
でもそれでも……だ。だけどそんなのは私には関係ない。私は寧ろミサイル一発で普通の蟻型の砂獣なら一発で五匹は巻き込んで殺せる。それにそのタイプのミサイルならほぼ無限に生み出せると行って良い。
まあけど、いつもの形態だとミサイルなんて物は搭載してない。このロケット型の数少ない武装としてあるから使ってるだけ。
「すこしずつでも減らすためにも、どうにか出来ないかな?」
砂獣を見える限り間引いたわけだが、どうせ直ぐに奴らは湧いてくる。そのたびに私はこの形態になるのか? となると、とてもそんな面倒はやりたくない。となるとどうするか? 選択肢は幾つかある。ようはミサイルを発射する装置を生み出す……ユグドラシルシステムを使えば出来る。
エネルギーを消耗してしまうが、今の私は潤沢にエネルギーを持ってる。だから出来ないわけではない。でもできるならエネルギーは節約していきたいところだ。
「けど雑魚だからって放置は出来ないんだよね」
私たちはあんまり手出するのはどうかと思ってたわけだけど、もう十分に頑張ったんではないだろうか? それこそこのサーザインシャインインラの人たちは死力を尽くした……と言ってもいい。ならそろそろ手を貸してもいいのかもしれない。
最初から私達のような部外者が出張って全てを解決してしまっては、それが当たり前と思われて良くないと思って、自主性というか当事者意識を大切にしてきたわけだけど、既に「よくやった、あとは任せろ」の段階まで来た気がする。
「おっこれは……」
なんかいいやり方を私は見つけた。これなら、最小限のエネルギーの消耗かつ、この形態の外側も有効に使って、さらには広範囲まで対応できそうだ。
「採用」
私は早速、それをやってみることにした。