uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力が目覚めた件 368P

 悪魔……という存在がこの世界にもいた。想像……ファンタジーの中にしかいなんと思ってた……誰しもがそのはずだと思ってるはずのそんな存在。それを野々野足軽は確認してる。そんなモノがいる……それはただこの現実……リアルに『悪魔』がいる――という事だけじゃないんだ。悪魔がいるのならもっと別の存在だっているんじゃないだろうか? と思える。
 実際今までだって野々野足軽は居てほしいと思ってた。力が発言したことで、こんな力を持ってる人間がいる……という事が確定した。それによって世界はもっと楽しいのかもしれない――そういう風におもえるようになった。
 数字で例えると、野々野足軽に力が発現したことで、野々野足軽の世界への期待は80%くらい上がった。けど最近は野々野足軽以外の力を持つ存在はもしかしたらいないのかもしれない……という落胆で20%になってたかもしれない。けど悪魔という存在。それを確認できたことで一気に50%……いや60%くらいにはなってる。
 
 悪魔がいるのなら天使だっているかもしれないし、悪魔の上の大悪魔とかいるかもしれない。さらに言えばやっぱり魔王……そんな存在に期待をしてしまう。実際悪魔の生態系なんて全く持って不明だから、ほかにいたりするのか? とかもまったくわからない。けど期待は上がったんだ。そして風の子に風の少女……
 
 彼らは純粋だった。ただ単に風が集まって、現れた存在……なんかじゃないと思うが、彼らは風のように自由だった。でも風の少女は穴の向こう側にとらわれて……その自由を奪われた。そして希望は摘み取られて……陥った絶望。野々野足軽の頭をぶっ叩くような思考の衝撃。けどそれでも、彼女の絶望は止まらない。
 このさい、野々野足軽は気絶とかそのくらいまで出力をあげてた。けど……
 
『ああああああああ!!! なぁんでえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!』
 
 そんな思考がむしろ野々野足軽にぶつかってきた。けど今度は覚悟をしてたから、肉体まで戻る……なんて事はなかった。一応そこに、まだ野々野足軽はいて、そしてちゃんとその変化を見てる。風の少女……その存在が絶望というスパイスによって変貌してる。風がつむじながら、なんとなく人のような形にみえて、なんとなくそれが女の子的で、服装がワンピースっぽかったから少女と野々野足軽は定義してたけど、もうそれは当てはまらなくなってしまった。
 
 どういうことかというと、黒い力に染まった風の少女だった存在は、なんか……そう……いうなれば、その見た目がドラゴンみたいな……そんな黒い姿のドラゴンになった。もとの属性? がわかるようなところはその翼だけになってしまった。この黒いドラゴンの翼は翼の骨組みだけはあるが、翼として機能するための風を掴む部分がない。けどそこには風があった。
 つまりは風をつかむ必要なんてない……だって風を生み出せるのだから……そんなドラゴンが少女の声をぶつけてきながら、野々野足軽に襲い掛かる。