「サンクチュアリって言われたらな」
「だが、ジゼロワンのいうにはそれの確立は低いらしいぞ」
そうなると都市核という物がサンクチュアリでないと否定は出来ない。そもそもサンクチュアリは世界のキーだから希少価値はめっちゃ高いのはどの世界でもそうらしい。なら都市核という俺達には未来の物質がそれでもおかしくない。
というわけで、早速俺達は壊滅したジャルバジャルへと出発する。まあだが俺達だけ……とは行かなくて、色々と調査するために軍と更に賞金稼ぎの奴らが数十名。更に行軍に必要な物資を運ぶ輸送部隊とか。はっきり言ってじゃまでしかない。俺と魔王なら、その日の内につけるし、そしてその日の内にミッションコンプリート出来ると思う。ぞろぞろ連れて行くと、それだけで時間が掛かる。
とこにあるかわからないのなら、大体の場所を教えてくれればそれでいいんだ。なのに……
『都市核は特殊な物体です。お二人はきっと触らない方がいい』
そう言われたからね。てか触れないのなら、サンクチュアリだったとしても受け取れなく無い? そもそももらえるとか言われてないんだが……でも多分どうにかしてくれる気はあると思う。そのくらいバジュール・ラパンさんは俺達を信頼してる。
けどそれでもこの部隊と仰々しさが必要らしい。それはまあ……
「おお、領主様がジャルバジャル奪還に動くらしいぞ!!」
「おお! 流石領主様!!」
「ジャルバジャルを取り戻してくれ!!」
こうやって町中の人達へと領主の偉大さを喧伝するためである。自分たちは決して下の物を見捨てないし、取られた自分たちの領域を何が何でも取り返すという意思を見せる事で支持基盤を強固にしようという考えなんだろう。それに上手く使われた感は確かにある。
「そういえば、今回の行軍は一日では終わらない。外で奴らが寝たらどうなるんだ?」
「確かに……」
魔王のその一言は何気に気になる。ジャルバジャルとアズバインバカラは最初は飛んだから一日もかからずに行き来できた。でも今回は三日はかかる計算である。彼等は世界の法則で確実に八時間は寝ることになる。でも街の外では飛んでもない事が起こってた。
そして今回は俺達だけではなく、この世界の住人である彼等も街の外で寝ることになるだろう。そうなると……どうなるんた? そんな事を考えながらも、俺達はパレードがここまで来るのを待ってる。俺達は既に街の外にいるのだ。
アズバインバカラの中はジャルバジャル奪還に沸いてる。どうやらこれまで砂に落ちた街を取り返した事が無いらしいからな。それが出来たら快挙だ。そして皆それがきっと出来ると思ってる。俺と魔王がいればそれが出来ると、きっと思われてるんだろう。責任重大だ。
「なに、お二人がいれば砂漠を水なしで歩くかのごとし! がーはっはっは!!」
そう嵩笑ってるジャル爺さん。確かに彼にとっては自分の街だ。興奮するのはわかる。なにがなんでも連れて行ってくれと頼み込んできたしね。でも本当にそんなに簡単なのかは未知数だ。皆が俺と魔王がいれば……そう考えてるのが一抹の不安として俺にはあった。