uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 177

「なんだ!? どうした!? おい!!」
 
 賞金稼ぎの一人がそんな風に叫ぶ。そして俺達についてきた民衆達もいきなり変化が現れた奴らに驚いて腰を抜かしたりしてる。一体何が起きてるのか……それは針が刺さった人たちに明確な変化として現れてる。いきなり苦しみだして、周囲に集まってた人たちを押したりぶつかったりで、それでザワザワとしだす。目が充血して、体がなんかボコボコとしだしてる。それによって身体自体が膨張してる。顎が外れるくらいに雄叫びを上げて事実外れた顎が戻る事はなく、よだれがボタボタと落ちている。
 
 なんか血流の関係か、体が異様に赤くなってる。それに目も真っ赤……
 
「「「「あがあああああああ!!」」」
 
 そんな声を出して、針が刺さった人たちが腕を振るう。肌が膨張して腕も元の倍以上になった腕が周囲の人たちを豪快に吹き飛ばした。一つの腕あたり、三・四人をぶっ飛ばしてる。普通の人には人一人を吹き飛ばすことさえ難しいだろう。でもどうやら針が刺さって変質してしまった人たちにはそこら辺は関係ないらしい。簡単に人が飛ぶ飛ぶ……一気に俺達についてきてた人たちが我先にとここから逃げ出した。大人も子供関係なくワチャワチャとなってる。そうなると子供は弱く小さいわけで……しかもこの日差しも刺さらない場所の子どもたちはガリガリだ。体重あるのか? ってくらいのな。
 
 あんなパニックになったら、子どもたちは大人に踏みつけられるだけ。とりあえず目に見える子どもたちは、自分の力で守っておいた。大人はしらない。大人は自分の身くらい自分で守れるだろう。
 
「なんだ……これ?」
「うるさいですねぇ。一体どうしたん――」
「出てくるな!」
 
 ローワイヤさんが周囲の煩さにちらっと顔を出してきた。その瞬間だった。どうやら針を刺された奴らにはそれがみえたらしい。一気に数体……具体的には五体の変質してしまった人たちが吠えた。もうそれは人の声ではない。どうやってあんな風になった奴に目的……というか殺意とかを植え付けてるのか……それともただの本能ってやつを浮かび上がらせてるんだろうか? とりあえず真っ直ぐに向かって来る変質した奴らを俺達は向かい撃つ。
 
 俺はとりあえず素早く動いて、三体の変質した奴らを無力化する。掌底に自分の力を乗せて意識を奪うって簡単なやり方だ。俺や魔王は身体自体が変わって、その力を開放すると大変なことになる。だからこそ、細かく制御する術を俺は模索してる。魔王の奴は逆に大きな力をどれだけ開放するか……出来るか……を追求してる気がする。そこは俺と魔王の力の求め方の違いだろう。
 
「こいつら! 斬っても倒れないぞ!」
 
 賞金稼ぎ達の声に俺は意識を向ける。するとたしかに、針が刺さっておかしくなった人たちは切られても動き続けてる。
 
「なんて事を……」
 
 俺は小さく、そんな言葉をつぶやいた。