「それで……」
いたたまれない空気の中、更に何かを望むようにラパンさんがいった。でも……
「ポニポニとしか……ああ、でも何か重要な事を言ってるんだとは思います!」
ネナンちゃんは相手の事も思いやれる心優しい子の様だ。うんうん立派だね。
「それはそうなのだろうけど……」
「ごめんなさい。私、いつもはポニちゃんに一方的に喋ってるだけだから」
まあポニ子は最高の相談相手なのかもしれない。嫌な顔なんてしなくて、ずっとポニポニと聞いてくれるもんね。そういう所もポニ子がうけいれられてる部分なのかもしれない。
私はそういう面倒そうな気配があったら逃げるからね。まあ最近はここから動いてなかったから、なんか参拝に来てる人たちが勝手に長話してるのはよくあった。
こっちが何も反応示さないのによく長話を一方的に出来るなぁと思ってたけど、きっとポニ子と同じことだったんだね。
「いや、ネナンちゃんは悪くないさ。過度な期待を押し付けてすまなかった」
そういってラパンさんは頭を下げた。この人はこの町のトップなのにこうやってちゃんとネナンちゃんの様な子供にだって誠意に対応してくれるから信頼暑いんだろうね。住民たちからも信頼厚いし……ここに王族が来るのだって、きっとラパンさんの信頼があればこそだと思う。
もちろん、今この世界で一番安定してる場所で、そして私や魔王、勇者がいるから、協会に対抗できる戦力がある場所って事でもあると思うけどね。
でもこのままでは王都様たちが来ることをラパンさんたちが知れないな。そうなると、派手な歓迎をできなくて、不敬と取られるかも知れない。なにせ私の王族のイメージは偉そうにしてる奴……だからね。
間接的に私のせいでラパンさんとかが処罰されたら気分悪いというか……どうせならネナンちゃんの身に着けてるアイテムに、ポニ語の翻訳機能でも追加してればよかったかもしれない。
まあそんなの私も持ってないから無理なんだけど……私もネナンちゃんと同じで何となく……感覚で喋ってるだけだしね。でも今のポニ子は私の力そのものみたいなものだし、ネナンちゃんのなんとなくよりは、たぶん私の方が疎通力あるとおもうけど。
「どうしたものか……」
「ポニポニ!」
「それは……どう……す!?」
『王様が王都から脱出するポニ』
いや、ポニはいらんだろ――と思った。