uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1037

「根本か……」
 
 私はコクピットで一人、そうつぶやく。すると、また別の光が走る。
 
「勇者?」
「これは……」
 
 いや違う。勇者はその光に疑問を持ってるようだ。となるとアイ? いや、それも違う。私のドローンがある映像をピックアップした。そこには……
 
「ネナンちゃん」
 
 あの子は一度この力に当てられて気を失ってた。でもどうやらその豊富な力によって目が覚めたらしい。そもそもがネナンちゃんの力の一端を使ってるミレナパウスが無事なんだから、その大元であるネナンちゃんが最初だけでもあの攻撃の影響を受けた方が可笑しいんだよね。
 
「皆……どうしたの?」
「ぽに!」
「ポニちゃん」
『私……どうしたら……」
 
 ネナンちゃんの側には常にポニ子が侍ってる。私がそう指示してるのもあるし、ただ単にポニ子がネナンちゃんを気に入ってるということもあるだろう。もしもネナンちゃんにネナンちゃんさえも気づかない危機が迫ってたとしても、ポニ子がきっとなんとかしてくれるだろう。こうやってネナンちゃんが困ってしまったときも、ポニ子をぎゅ~とすることで、なんとか平静を保てられるのなら、それだけでもポニ子はそばにいる意味がある。
 
「ありがとう……ポニちゃん」
「ポニポニ! ポニポニポニポニ! ポーニ!」
「え?」
 
 私も「え?」だよ。何故かしらないが、ポニの言葉がネナンちゃんはわかるんだよね。そしてネナンちゃんはポニ子に絶対的な信頼をおいてる。だからその行動は早かった。
 
「わかったよポニちゃん! やってみる!」
 
 そう言ってネナンちゃんは人差し指を一本立てて、それをビシッと天に掲げた。そしてその指の先に集まっていく力。
 
「くう……」
 
 辛そうなネナンちゃん。でも頑張ってる。そして耐えながら力を高めて、そしてそれを空にはなった。するとネナンちゃんが集めてた力が拡散して雨の様に周囲に……いや周囲って言うとなんか範囲が狭そうだ。ネナンちゃんの力はこの戦場だけではなく、アズバインバカラまで届いてる。そしてその雨が触れた人たちを光らせてる。そしてそんな雨が降り出して数秒すると――
 
「ううん……」
「あれ? 俺は……」
 
 ――というふうに起き出す人が出てきた。どうやらネナンちゃんのあの力はこの不可視の攻撃から人々を回復させ、ついでに守ってくれてるみたいだ。後方の人たち……それこそ王様達も置き出した。
 
「お主のお陰か。済まない」
「いえ、皆さんご無事で何よりです」
「ぽにー!」
「うん、ポニちゃんもありがとう」
 
 ポニ子を再びぎゅ~としてるネナンちゃんを微笑ましく見る王様。けどすぐに険しい顔つきになって今の事を口に出す。
 
「今のはきっと教会の……」
「はい。魔法……だと思います」
「ふむ、流石に勇者殿達は無事よな。ならば彼らなら……いや潜伏してる何者かがいるのなら、こちらにもやりようはあるはず。ただ彼らに頼ってばかりもいられん。この光があれば、我らはもう一度眠ることはないと思っていいのかな?」
「はい! それに一応魔法を辿って見ましたけど、近くに危険な人? はいないです」
「そうなのか?」
「はい!」
 
 ネナンちゃんはどうやら皆を助けるためだけの行動ではなく、ちゃんと敵のことも探ってたらしい。優秀な子だ。そして実際、ネナンちゃんの言うことはただしい。既にここに敵の姿はない。それは私も調べてるから間違いない。
 
「では一体どうやって……」
 
 まあそうなるよね。そんな王様にネナンちゃんは扉を指差す。
 
「あそこです」
 
 ――と。