「呼ばれてるとは?」
「これを見てください」
そう言って王様は彼の子供達……つまりは自分が協会から連れてきた三人の彼の子供達を見せてきた。てか道中もプライムはずっとひっついてたけど……それに伴ってカザムジャナちゃんもずっと一緒だった。
だから別に何か変わった様子なんて……
「なんですかこれ?」
連れてこられたプライムにカザムジャナちゃん、それにアヴーチェはなんとその体の表面に何やら変な痣というべきなのか、模様と言うべきなのか……そんな物が出てた。聞く限り、ここに来て徐々にこの痣が全身に広がりだしたみたいだ。
最初は気づかなかったみたいだが、どうやらこの痣は心臓部分から全身に広がってるらしい。
「王様は大丈夫なんですか?」
「私も勿論これと同じようになってます。ですが、まだ進行はこの子達ほどではないようです。これはきっと、呪いではないかと私たちは思ってます」
「呪いですか? その根拠は」
「なんと言いますか……死が近づいてるのがわかるのです。ええ、きっとこの痣が全身に広がったとき、私たちは……」
そう言って悲痛な面持ちになる王様。まあ自分たちの子供達が死ぬところをこのままでは見せられるからね。そういう顔にもなるってものだ。まだ思い込みって可能性は捨てきれないが……でも状況的には楽観的にはいられないだろう。
「他の者達には?」
「どうやら私たちだけのようです」
「王家の者にだけ降りかかってる呪いですか……」
「勇者様……」
自分と王様の会話へ、プライムが入ってそんな不安そうなつぶやきをしてくる。普段はとても三歳児とは思えないような奴だけど……こうやって不安をあらわにしてるのは素直に子供っぽい。だから自分はプライムの頭に手を置いて行為ってやった。
「任せてください。すぐに解決してみせます」
自分が周囲を見回ってた数十分でこんなことになってる子供達三人。もしもこれが全身に回ったときに本当に命がなくなるのなら……多分だけど三人は明日まで持たない。
だから悠長に様子見してる時間はない。
「また勇者様には負担を……」
「いえいえ、適材適所ですよ」
申し訳なさそうにする王様に自分はそう告げる。そういえば、特攻する前に、これは聞いておこう。
「そういえばなぜに呼ばれてると?」
「どうやら痣が広がってくると、時々無意識でこの子達の足があの宮殿へ向かうようでして……」
「なるほど……」
それで呼ばれてる……ね。子供達の方が進行が早いのは、意志的なものなのだろうか?
「とりあえず皆さんはここにいてください。自分があそこにいる奴に挨拶をまずはしてきますよ」
そう軽口をたたいて自分は敵の陣中へと向かった。