uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 646

 コソコソと宵に動く影がある。今が宵という時間、そしてそこで動けるやつということであれが教会のやつだということがわかる。やっぱりだけど、この状況を監視してる奴がいたみたいだ。まあ昼間の段階で周囲をドローンに探らせてたからわかってたけどね。

 でもいきなり仕掛けるのもなぁって思ったから放置してた。勿論ドローンを一体監視として置いてたけど、それが芽吹いたみたいだ。実際ただの監視役だと思ってたわけだけど、ここで動くんだ。一体何をやるのか……教会の奴等だって宵に外に居るのは危険なはずだ。だって世界の理から外れてるからね。

 街中とかなら宵でも安全が確保されてる。むしろそういう所以外は全部危ない。なにせ世界が再構成されてるからね。だからアイツラも基本は裏工作するために宵に動いてるからね。奴等にとっては誰にも認識されずに好き放題出来る時間……それが宵だ。そこには危険なんて無い。自ら飛び込まなければ……だ。そして私の印象としては奴等はそんな危険を犯すような奴等ではない。

 なにせ何よりも自分たちが可愛い奴等だと思ってるからだ。リスクを犯したくはないはず。でも……そうも言ってられないのかもしれない。今史上初めて教会に楯突く勢力が誕生してるからね。それを私たちが思ってる以上に危険視してるのかもしれない。

 もしもこれがアズバインバカラや、ジャルバジャル、そして王様達だけだったらここまで教会はきっと危機感を抱かなかっただろう。そもそもが私たちが居なかったら、ここまでの勢力になり得ることもなかったと思うけどね。

 そもそもがジャルバジャルは砂の下から復活することは出来なかっただろうし、王様は中央から脱出することなんて出来なかった。そしてアズバインバカラも教会にたてつこうなんてきっとありえなかったことだ。

 だからこそ私たちの存在がこの世界にとってイレギュラーなんだと思う。きっと教会の奴等も私たちの危険さを理解し始めたから、少しくらいはリスクをおおとしてるのかも。

 

(まあ、それなら狙うとしたらアズバインバカラやジャルバジャルで仕掛けないとおかしいんだけど……)

 

 なにせこのサーザインシャインインラに私たちが介入してくるかなんてわからなかったわけで……もしかしたらここは教会にとってはただの試金石……お試しの場なのかもしれない。そうなると更にこのサーザインシャインインラが可哀想だけどね。

 一体何をやるのか……そう思ってると、いつもの変な模様のローブを着てる教会の奴はこの再構築されてる世界で、ただ祈ってる。そしてそこに鬼がやってきた。まあそうなるよねって感じだ。ここは鬼がせっせと働いてる空間だからね。

 宵で町の外や、テントの外にいると、こいつらがやってきて……そして……世界の材料へと還元される。そういう鬼の対象外にする結界的なものがそれこそ都市核的な結界装置なんだろう。そして似たような術式がテントには施されてるから、外に居るときには教会謹製のテントが必須になってる。それから出ると、世界の再構成に巻き込まれて明に目覚めることはないって言われてるのは、まあそういうことだよね。

 だからあの教会の奴の所に鬼が向かうのは自然の摂理だ。だって再構成される世界で、生物は異物なのだ。だから鬼がその存在を壊しに来る。

 

「おお……これが神の使徒様……なんと神々しい……」

 

 なんかそんなことを教会のやつは呟いてる。あれが神々しい? ちょっと自分の目を疑った方がいいと思う。その目、ピント有ってる? するとその人は何かを差し出すように両手でそれを掲げる。それは繭みたいなものだ。しかもなんか黄金に輝いてる繭。

 私的にはそれをみて「おお」とか思ったけど、別に鬼は反応してない。ただ作業のようにその教会のやつに向かって腕を向ける。握りつぶすようにして奴を包む鬼。すると当然、その教会のやつが掲げてた繭にも触れてる訳で……鬼の包んだ指の隙間から光が漏れて、指、手……手首から腕や肩へと、光というか、黄金が広がっていく。そしてついには、なんか黄金色の鬼が出来上がった。一体何が起きたかの……それは宵が開けたときに明らかになった。