魂魄……それは簡単にいうと魂だ。そしてこの魂……なんかネナンちゃんに似てる。何が? と思うかもしれない。だって私は……というかG-01は別に生命の魂とかを見れるわけじゃない。だからこんな風に魂を直接見るのは初めてだ。ゆらゆらと空間に漂うような……そんな人魂的な物をイメージしてたけど……それよりももっとホタル的な感じだ。淡い光って感じ。
まあけどそこまで大きな乖離はない。これが魂だと言われても、「ああなるほどね」って思える。ある意味でイメージ通りといえばそうなのかもしれない。
「これって……ネナンちゃんの溢れてる力の波長に似てるんだよね……」
普通力には個性ってやつがある。世界によって、大元の力って奴は変わってないが、その生物……そしてその生命体によってその大元である力の表層に微妙な違いが生まれるのだ。その微妙な違いって奴は生命体の数だけある。
そしてその微妙な違いにも特徴とか個性があって、やっぱり血の繋がりとか種族とかそんなので共通する部分はやっぱり出てくる。つまりはこの魂魄とネナンちゃんの力のデータ……それが似通ってるってことだ。それは種族単位とか……ではない。個人として……だ。
そこそここの世界にいるわけだし、それに親子とか家族とか……地の繋がった人たちだって見てきてる。色々とこの世界を知るために色々と調べた中で、この世界の人達の力のデータ……なんてのももちろんある。
なのでそれを細かく分類していけば、違いが分かるというものだ。それにネナンちゃんは私は要チェックしてるからね。普通のそこらの人達よりも調べてる。だからよりわかりやすいってのもある。
そしてそのデータが似通ってるってことは……魂的にこれはとてもネナンちゃんと近いと言うことになる。
「つまりは……まじでネナンちゃんのお父さんとお母さん? ……の魂?」
でもどうやって引っ張ってきたのか? てか魂ってあるんだ……とか私は思った。だって初めて見るし? こうやって直接はね。魂はデータとしては知ってるが……こうやって見るとなんとも言えない気持ちになる。
「私にもあるのかな?」
あるような気はする。てか普通なら生命には魂というのはあるだろう。けど私は普通の生命? なのか微妙だ。なにせ造られたのは確実だし、この場所から私は出ることは出来ない。つまりはこの外以外では生きる機能がない……のかもしれない。もしかしたら……というようなそんな可能性はちょっと考えてる。
私はなにも着てない、自分の胸に手を添える。どこに魂があるのか……なんてわかんない。もしかしたらあれが伸びて、体を覆ってたりするのかもしれない。それかやっぱり胸とか脳とか? にあるのかも。
「ネナンちゃんは正しかったんだね」
私はとりあえず自分のことはおいておいて、その二つの魂をそっと私はG-01の手で包み込んだ。