ネナンちゃんの容態は安定しだした。今はもう寝てる状態になった。本当ならもっと両親? といろいろと話したかっただろうが……あとは私が引き継いであげよう。宵の向こうに見える鬼が本当にネナンちゃんの両親というのなら……伝言くらいはしてもいいかなって思ってるよ。
一応、ずっとチャンネルを合わせる努力はしてる。けどやっぱりネナンちゃんが受け取ってたほどに、私ではうまく彼らの声? を聞き取ることは出来ない。それはもしかしたらこの明と宵の隔たりのせいかもしれないし、本当にあれがネナンちゃんの両親だからという理由でチャンネルの強度というか周波数がピタッと合ってる……という可能性もある。そうなるとより深くネナンちゃんを模倣したほうが良いのかもしれない。
けど今はそれよりも……だ。まずは宵にいかないと。明と宵には明確な隔たりがある。それがこのプニプニだろう。これはきっと明を守ってる。けどだからこそ、柔軟性に飛んでて、強固で、そしてきっと宵の色々な影響を防ぐ役割があるんじゃないだろうか? それこそ……鬼の侵入とかさ。実際、鬼が勝手に明に現れるってことは早々ないと思う。
なにせ鬼は想像するよりもずっと機械的だからだ。普通の鬼には感情ってやつは感じられない。なぜなら彼らはただの装置? みたいなものだからだ。いわば明という世界を組み上げるためのロボットと言ってもいい。
だから実際、鬼が侵入をしてこようとする……なんてことは早々ないとおもうけど……もしもそんな時の為に鬼さえを防ぎ切るって意味でかなり強固でないといけない。まあならなんであの黄金の鬼はこっちに来てるのか……だけど、あれだけすんなりとこっちに現れたところを考えるに、きっとやつは許されたんではないだろうか?
どうにかして通行証的な物を得たとかさ。普通の鬼よりもあの黄金の鬼は感情って奴が強いし……今空の向こうに見えてる鬼のようにあれにも何か魂的なものが? じっさい無理矢理あの黄金の鬼がこっちに来たのだとしたら、その穴を通って他の鬼も来てないとおかしい。まあもしかしたら機械的な鬼だから、そんなのには感心しなくて、普通に直した……という可能性もないわけはない。
けど鬼にもどうやら感情を呼び起こされる瞬間というかなんかはあるみたいだし……無理矢理あの黄金の鬼が明に渡ってるとしたら、その綻びをあの、今見えてる鬼が使わないのはおかしい。だって彼らはネナンちゃんと対話してる。
本当に両親かはわかんないが、色々な思い出を共有してることは間違いない。それが一体どういうことなのか……私もちゃんと知りたいと思ってる。だから宵に渡る。普段なら宵になって動き回るから、明と宵の堺なんて気にしたことなんてなかった。
その時には明は結界の街を残して崩壊してるからだ。でも今は明の時間だからこそ、このプニプニが明と宵の間に存在してる。じゃあ宵の次回はこれはどこにいってるのだろうか? よく分かんない。
でもそんなのはどうでもいい。重要なのは、このプニプニの攻略方を見つけたということだ。
「とりあえずネナンちゃんだと思わせておけばプニプニが侵食してくることはない。更にこの状態で腕を差し込めば……」
私はニヤリとしたよ。思った通りだ。この世界を覆うプニプニはネナンちゃんによせたエネルギーを纏ったG-01の腕を避けた。つまりはこれを全身に適応させれば、このプニプニの妨害を受けずに宵に行くことが出来るだろう。
まあ実際、このままではこの世界にどういう影響が起きるのか……よくわかんないから、どうにかして、このプニプニが明の世界へと落ちるのを止めたいところだけど……取り合えずそれは力技でなんとかすることにするよ。長くあの鬼となにかやる気はない。ちょっとだけ確かめるだけ。それが僅かな時間で済むかは全然分かんないけど、とりあえずがんばるよ。きっと何かきっかけというか、一つ繋がりがわかれば、そこからきっと色々なことが分かると思う。そして分析力とかはG-01はお墨付きである。
任せておけ……といいたいね。