私は興味が出たから、自分の全身を写してみた。ここには鏡なんてものはない。というか、G-01のこのコクピットと言って良いのかどうかは分かんない部屋には生活感……というものは皆無だ。はっきり言って殺風景。機械があるけど……それで生活感が出るかというと……でない。
だってその機械は別に電子レンジとか冷蔵庫……テレビとかじゃない。そういう次元ではない。寧ろ何なのかわかんないのがいっぱいである。まあいっぱいと言うか、この場所自体が機械で埋め尽くされてはいる。
周囲は三百六十度でっかいモニターにもなってるが、継ぎ目なんてない埋込式で、更には私の傍にも仮想モニターを出せる。けどどうせだから、でっかい周囲のモニターに自分の姿を写してみた。
「おおー」
正面から映した映像を見てびっくり。でかい……ある意味感動である。いや、でかいのはわかってたよ。なにせ視線を下に向ければ見えるし……それに今まではストーンとしてた。でも今やそれはストーンではなく、視線がおっぱいで遮られるのだ。
「成長……してるのは胸だけ?」
うーん、自分はそもそもが、何歳の見た目だったのか……よく覚えてないというか? 多分16とか18とか……いやもっと幼かったかな? 今が高校生くらいには見える? でも実際女性の年齢ってどこで判断していいのか……二十代と18とかじゃわかんないような? 長くなった髪をかきあげて顔をまじまじと見る。
「美人なのは間違いないね」
私の顔は整ってる。完璧な配置とはこのことか? ってくらいには自分は美少女だ。なんか作られたんじゃないかってくらいなんだよね。その疑惑は実際強い。なにせ私はプチュオクミだ。
この容姿とかもきっと作られんだろう。だからこそ、これだけ整った顔をしてるんだと思う。ありがたいけどね。
「うーんやっぱりこれだけの容姿を見せつけられないのは惜しいよね」
『そこまでにしてもらえないか?』
「きゃっ!?」
びっくりした。なんか一人で映像の中の自分にうっとりしてたら、声がかかった。恥ずかしい所見られたじゃん。自分自身にうっとりしてるところとか、黒歴史じゃん!! てか……
「誰?」
なんか、宇宙服みたいなのを着た人物? がそこにいた。そしてその人はいうよ。
「私はこの世界の神だ」
――とね。