G-01の掲げた腕の方に変化が起きる。ガシャガシャとなって、まずの表面の装甲が開いていく。そこから腕のフレームを覆うように円筒形の物体が出てくる。そしてそれから紅い光が出てきた。けどそれは光の粒子とかではない。出てきたその光は集って伸びて、G-01の倍以上の長さへとなってウネウネとしてる。
その紅いウネウネは空間にいくつもの欠落を作ってしまってる。
「安定してないね。もっと先端だけに集中させないと」
私は集中するよ。そして頭に色々な情報を展開する。そして何をどうすればいいのか、そういう部分が私の中にある情報がハイライトされる感じがある。それを対象に廃除したり、整えたり……更にもっとスマートに書き換えたりするよ。
前の私ではこんなの考えられなかっただろう。これもきっと脳が拡張されたからだ。それにずっとG-01のマニュアルを読み込んできたからってのもある。前の私ではこれにどんな意味があるのかなんてわからなかったはずだ。けど頭が痛くなるのを我慢してマニュアルを読み込んでいくことで、どうやらそのマニュアルは私の脳に刻まれてるようだ。
それこそ普通は覚えたと思っても、テスト終わったから忘れる……なんてのはよくあることだと思う。でもどうやらあのマニュアルはそうじゃないらしい。あの頭の痛さもちゃんと理由があったのだ。
つまりはあの頭痛は脳に情報を直接刻んでたみたいな? そんなのじゃないだろうか? だってハッキリ言って私はそれこそアホみたいに量があるマニュアルを毎日毎日、この場所で目覚めてから読んできた。それこそサボったことなんて無い。アイが独立してからも……だ。
なんかもう習慣? みたいになってる。脳が拡張された事で、頭痛もそこそこ軽減されてるしね。なので私は小説で言う所の何冊分? とかはよくわかんないが、少なくとも数十冊。いや、数百冊分は行ってるよ。もちろんそれが分厚い小説なのか薄い小説なのかで変わりそうだが……そこそこ膨大な量だと思ってくれればいい。
実際、小説をそれだけ読んでる人達って最初の方に読んだ小説の内容を事細かにおぼえてるだろうか? 流れ……くらいは覚えてるかもしれないが、それこそ登場人物達とかまでは覚えてなかったりするだろう。それが普通だと思う。
でもどうやら私はそんなことはない。最初から今の最新の所まで、思い出そうと思えば、パッと思い出すことができる。読んだ全てが身になってるという事だ。いや、実際は読んだだけでは「なんだこれ?」や「どういう事?」と言うのはいっぱいだ。というか大半である。
けどそれが必要な場面に出くわすと……今のようなね。その時にパッと閃くかのように「あの時の情報か!!」となるのである。なので私でも色々と細かく変化を加えることができる。
「でもこれもアイが居たらきっとアイに頼んでたよね」
絶対にそう思う。やっぱりアイが居ないほうが私の成長的にもいいね。そんなコトを考えてる間に、調整は終わった。G-01の腕から伸びたウネウネとした物は一斉に私が指定した座標へと突っ込んでいく。その時、ウネウネの先端の物は消滅してた。先端にだけその分解機能が働くように調整したからね。砂の中も関係なんてない。どこまでだって進んでいけるようにした。
そして絶対に繋がりを断ち切る力……それもちゃんとある。