uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 860

「それでラパン殿、それがもしかしたら本当の都市核の姿とはいったい?」

「それは……思いませんでしたか? 我々が知ってる都市核はあまりにも味気なさすぎると」

「「「それは……」」」

 

 なんかラパンさんの言葉にこの場に集ってる各町の領主たち、ひいては王様に王妃様までも「それは」って言ってた。まあ確かに? そんな気持ちになるのもわからないわけじゃない。だってものすごい力を秘めた神からの贈り物だよ? それがただの球体って……それは実際夢を壊すよね。

 なにせ都市核の姿を知らない人達……普通の市勢の皆さんは特別な姿を想像してる。それは普段子供たちが遊んでるのをよく見てる私は知ってる。

 かなり凄いもの……って感じで伝わってるみたいだからね。全部が黄金でできてて、その大きさは身長よりも大きいとか……なんかそんな風になってる。

 けど実際はただの球体である。もしかしたらラパンさんたちの様な偉い人達も期待外れ感を感じてたのかもしれない。だからこそ、G-01が作った(とはしらない)都市核を見たらこれこそが自分たちが最初に思い描いてた都市核――と思いたいのかもしれない。

 それにだ。それに彼らは平民ではないのだ。それこそ幼少のころからいつかはちゃんと都市核を見れる立場だった。なのでもっと具体的にかんがえてたのかもしれない。それなのに……見てみたらただの球体。いや、それでもきれいではある。なにせなんか内側はなにやら靄ついてる中にもきらめきがあるからね。まるで炎をじっと見つめてしまう様な……常に変化してるからいつまでだって見れる魅力はあった。

 まあけどそれもとても近づいてないとできないけどね。けど今の都市核はパッと見ただけで心を揺さぶる程に芸術的。つまりは彼ら領主たちがこうだったら――とか思ってたそれを実現してると言っていい。

 

「それにです。私たちは都市核の力を安定させるために祈り、その身を削っています。ですがどうですかこれは? 台座から外しているのにも関わらず、なんと安定したことか」

「確かに……それは我々も思ってました。あの台座から外すと大変なことになるはずの都市核が目の前に三つもあるのに、何もおきない。それはつまり……」

「それだけ都市核が安定している。それがラパン殿がこれこそが都市核の本当の姿……という理由ですか」

「ええ」

 

 なんか勝手に話が進んでる。けど勇者は何も言わずにその様子を見守っていた。