野々野小頭たちは今、街を駅の方向に向かって進んでる。なんと、野々野小頭が草陰草案の友達だと言ったらすぐに彼らは協力してくれる気になったらしい。どうやら草陰草案の影響力というか、その神格化? というのは結構すごいらしい。
それにジパング魔法学園も結構人気のチャンネルだったし、その配信者たちと会えるかも……とかいう思いもあるのかもしれない。まあ今はそんな場合でもないけど、有名人と出会えるかもしれない機会。
そして今やテレビの芸能人なんかよりも、若者の間では動画配信してる人たちの方が人気が上がってるってのがある。若者はテレビは見ないけど、ネットの動画サイトやら、スマホのアプリで話題の人たちをしるのだ。
もう時流はテレビだけで起こせるものじゃない。野々野小頭たちもスマホを見ながら、配信してる状況を確認してて彼らの場所を推測して走ってる。それにだ。それにどうやら彼らはここにいる数人だけじゃないらしい。
もっと多くな人たちが彼らのチーム? みたいだ。
「えっと貴方達は友達……とかなんですか?」
そんな野々野小頭の質問にリーダーと呼ばれてる大きな人ではなくもっと違う、優しそうな男の子が答えてくれた。彼はさっきから何台ものスマホをもってそれをよく切り替えて使ってる。一体何をしてるのかは正直野々野小頭にはわかんない。
けどこのご時世である。沢山のゲームアプリを同時にやってるのかな? と思ってた。
「まあ友達……ではあるけど。俺たちはもっと強いもので結ばれてるって思ってるよ。俺たちは『仲間』なんだ」
「仲間……ですか?」
正直、それと友達の違いってのは野々野小頭にはよくわかんない。だって仲間って友達を言い換えた言葉の様な気がしてたからだ。でも流石にそれをいったら失礼かな? と思ったのでそれは言わなかった。
「俺たちは色々と馴染めなかった奴らばっかりだからさ。実際、友達って言葉には嫌悪感があるやつもいる。だから俺たちは『仲間』なんだ」
そんな風に彼は言ってくれた。確かに今いる人たちも実際結構年齢とかもバラバラだし性別だってそうだと野々野小頭は思う。だって学生なら、普通は同級生とつるむ……のが普通の事になるんじゃないだろうか? だってクラスで分かれるし、毎日かかわる時間が一番多いのはどうあってもクラスメイトである。
学校というくくりなら次には部活動の人間とかになるのだろうか? いくらネットが普及して世界中に友達を作れる時代になったといっても、毎日顔を突き合わせて関係する間柄の学校の存在は大きい。
けどどうやら彼らはそんな狭い枠組み……ではないような気が野々野小頭は感じた。
「リーダーどうやら見つけたようですよ」
「よし、あまり近づくなよ。動画で見る限りかなり危なそうだ。安全第一を心掛けるんだ」
「はいはい、わかってますよ」
そんな風に彼らはいってる。確かに配信を見る限り、どんどんと草陰草案たちの方にはおかしくなった人たちが押し寄せてる。警官隊の人達もどうなったのか……わかんない。いやきっともうおかしくなったんだろう。これからどんどんと別の部隊が投入されるとしてもこのままじゃ同じようになってしまう。
いったいどうしたらこの事態を治めることができるのか……それはいくら考えても野々野小頭にはわかんない。わずかな可能性として草陰草案なら……あの不思議な力ならもしかして……と思うくらいだ。