uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力が目覚めた件 360P

 次の工程……それが何か? というと、それは突っ込んだ手の先でなら力を使えるのか? ということだ。突っ込む前に力で手を覆ってると弾かれてそもそもが穴の中へと入れることはできない。けど入れてしまえばどうなのか? そういうことだ。
 なのでもう一度野々野足軽はその手を穴に入れた。そして身長に手首から先へと力を通す。せき止めてたダムを少しずつ開放していくように、まずはチロチロと力を手の方へと流してみる。
 この段階でもしかしたら何らかの反応がでるかも? とか野々野足軽は思ってた。けどそういう事はないらしい。いきなり押し出される様に手がでてくるなんてこともなかった。
 
「強制排除はなしか」
 
 そんなことを呟いて更に力を送る。そして普段のとおりに手に力を通す。けどまだそれは内部にある。とりあえず一回穴を通してしまえば、力を送る事は出来る。それは実証できた。なら今度はこの力を外に発露することは出来るのか? ということだ。じわっと野々野足軽は滲み出るように力を外に通す。そしてこれも別に問題はなかった。やっぱり入れるときだけに判定? があるようだった。
 
「よし!」
 
 力を外にやれるとわかったなら、遠慮する必要はない。とりあえず力を流してこの穴の向こうを調べることにした。実際何がなんだかわかんないと、どうやって塞げば良いかもわかんないんだ。
 
「うーん」
 
 そして数分……野々野足軽は結構困ってた。なにせ力を伸ばして行くと行くだけ先がある。終わりがみえない。いや……そうじゃないのかもしれない。空間を調べる為に全方位に野々野足軽は穴の先に力を放ってる。
 そして終りが見えてない。そうなると、かなり広い空間がこの穴の先にはある……と思うだろう。でも力的には不思議な感覚を伝えてきてる。野々野足軽は全方位にまっすぐに伸ばしてるつもりだ。けど……力が伝えてくる感覚はまっすぐじゃない。ぐるぐるしてるというか? 安定してない……といった方がいいのかもしれない。
 
「そもそも安定してたら、こんな風に穴として現れないとか?」
 
 そんなことを思ってやり方を変えてみる。ただまっすぐに力を飛ばすのではなく。ソナー的に波長にしてみた。けどそうなると、なんか自身の三半規管がおかしくなりそうだった。こうなったら……と野々野足軽は最終手段をしてみることにした。
 目を閉じて、そしてその視界を穴の向こうに飛ばす。つまりは遠視。それで向こうの空間がどうなってるのか、直接的に見ようとおもった。
 
 どんなショッキングな光景でも良いようにとりあえず覚悟を決めて、野々野足軽は遠視を発動させる。