「全員前を開けるのだ!!」
そんな風に王様が言ってくれた。別に飛び越えていけたんだけどね。でもなんか後方にいた部隊がきれいに左右に別れてくれたから私はG-01でそこを歩く。いい気分である。そんな事を思ってると、なんか肩にアイが乗ってきた。
「私も行きます」
勝手にすればいいさ。アイなら問題ないでしょ。これがネナンちゃんとかなら流石に下ろすけどね。皆さん何やら私に期待してるような視線を向けてる。ここで動くんだ。期待しないで……というのは無理だろう。前では勇者も頑張ってるが、その数の多さ、それに戦場にいるたくさんの人達をフォローしてるから大変そうだ。
なにせ勇者は一人しかいないからね。皆さん頑張ってるが、流石にあの多さを一人でフォローするのは厳しい。それならさっさと白い砂獣を駆逐したらいいが、アイツラどんどん生まれてきてるからね。でも……
「私ならできる」
左右に別れてた後方からでて、私はキィィィィィィィ――とブースタを稼働させる。そして一気に前に突っ込んでいく。両の太もものところから私は銃を取り出した。前はナイフだったけど、色々とエネルギー貯めることで装備を更新できる様になってるのだ。ナイフも高性能になってるが、ここは銃の方がいいかなって。小型の二丁の拳銃のようなそれは、青で白いきれいな銃だ。そして私は更にこの付近の全景を出して、すべてのドローンとリンク。
G-01の視界に映る砂獣……更には無数のドローンが捉えてるすべての砂獣の位置と動き、それらを把握した。映像に映る奴らがロックオンされて赤い円が出る。後はポチッとするだけだ。
バンバン!!
鋭い音を出して放たれた弾丸。それが白い砂獣を貫いて更にその後ろの砂獣……更にその後ろまで続く。それだけで砂獣は滅んでいく。爆散とかしてるわけでもないのに、砂獣はただの一発の弾丸でその動きを止めた。大きくなった奴らにとっては流石のG-01の銃弾だって一発で沈むような傷にはならないはず。
でもそんな常識は無視して砂獣には致命傷になってるのだ。勿論それにはトリックがある。それは弾丸に込めた術式。それが砂獣を破壊してる。更にG-01は素早く動き、銃を撃ちまくる。
ドトドドドドドドド――ババハババババババ――
戦場に走るそんな音。その度に砂獣は動きをとめていく。嵐の様に吹きすさぶG-01。様々な砂獣がいるが、私はただ一つとして撃ち漏らしなんてしない。全てに当たって、そしてその全てが滅んでいく。ついでに飛んでる砂獣も一掃だ。ものの三分……たったそれだけの時間で地上に溢れてた砂獣が蹴散らされた。