uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1083

「くっ……いたっくはないけど!」
 
 ちょっとムッときた。なにせメタリファーはでかい。その腕で殴られたらそこそこの衝撃は来るのだ。だからってひどいダメージになる……ってことではない。これがちゃんとメタリファーの能力を使った時空間の力が乗った攻撃となれば話はかわってくるが、今攻撃をしてきてるのは明らかにメタリファーではない。 
 だってメタリファーの特徴がのってないからね。ただの物理攻撃だ。だからこそ、修復は簡単だ。けどさっきまでは片腕だけだったのに、今やその髪の毛まで……明らかにメタリファーの体は私が押し付けた教会の魂に操られる範囲が広がってる。
 
「なんで……」
 
 そんな疑問が頭に浮かぶ。だって変だ。メタリファーは存在がとても特殊な存在だ。そんな特殊すぎる存在のメタリファーの体をそこらの世界の魂……それが簡単に奪えるだろうか? G–01の中にある様々な情報……その中にはメタリファーの情報もあった。
 それによれば、メタリファーは結構高尚な存在だ。神だって下手に手出しはしない。普通は神でも気軽に接触しては痛い目を見るような……それ程の存在だ。けどどうやらこの世界の神はそのリスクを負ってでもメタリファーの力を利用したかったらしい。
 それ程に切羽詰まってたのか、それともそれほどの価値があったのか……とりあえずメタリファーを簡単に乗っ取れるわけがないということだ。けど私がメタリファーへと押し付けた魂はメタリファーの体を操ってる。これは一体どういうことなのか……
 
 私はメタリファーをスキャンしてみることにした。メタリファーにも通用するのかは謎だったけどね。けど通じた。やっぱりスキャンの性能も向上させてて正解だったね。やっぱり情報というのはとても大きな武器じゃん。
 それを手軽に手に入れることができるスキャンというのはこっちが一歩先んじるためにとても重要な要素である。だからそこに投資するのは先々の為になる――と思ったんだけど正解だったみたいだ。
 
「なるほどね」
 
 私はとりあえず向かってくる髪の毛を強引につかみ、ブースターで移動しつつ、それらを次々に束ねていった。そして厄介な髪の毛をあらかたまとめて握るとメタリファーを大きく振り回してやる。
 
 通常のメタリファーなら時空間に影響を及ぼせるからこんなの簡単に回避できるだろう。けど今のメタリファーは皮だけである。私と戦ってるのは中の教会の魂だ。だからこそ、この程度でも無力化できる。
 けどこのままでは困る。だってメタリファーがあえてその体を明け渡してるのだ。それでは帰ってくれない。だって教会の魂は楽園に執着してるからね。メタリファーならさっさと輪廻に魂を送ってくれると思ったのに……予定が狂ったよ。