「これは……」
私達は船体が積み重なった塔へと侵入した。そこはやっぱりだけど乱雑で、色んな船が重なってる。そして特徴的な事にとっても先進的な船から、旧時代の水に浮くような……そんな船も同じようにあるってことだ。中は十分に広かった。G-01でも進むのに問題ないくらいにね。
まあたまにでっかい船が、上から突き刺さる様に生えてたりして、行き止まりになってたりしてた。でもそんな時はその船の壁を丁寧に破壊したらその貫いてる船の内部へと入って探索ができてこれもなかなかに楽しい。こういう時々突き刺さってる船はきっとそこらの船よりも頑丈なんだろう。
だからこういう船がこの塔の柱になってると思われる。まあけど……
「流石にただ自然にこんな風になった……なんて思えないけど……」
そう思う。だってこんな風に普通積みあがるだろうか? まあ世界には不思議なことがいっぱいだし、その外にだって不思議な事はいっぱいあるとは思う。だから絶対にない……なんてのは言えない。
でも普通はこんなどこまで伸びるような塔にはならないだろう。普通なら下の土地に平べったく広がっていくのが普通ではないだろうか? それがこんな風に積みあがるって……定期的にハリケーンでも起こってここに集ってる船を打ち上げてそれが丁度重なる様に落ちてこんなことに……なってるのかな?
そのくらいでないと説明できない。いやそれでも説明できないけどさ。
「これは……もしかして」
そういって先に進みだすのはアイだ。ちょっと、なにがいるのかわかんないんだから、勝手に行動するのはやめなさい。さっきの目玉の小さいのはここから出てたんだからね。
中にまだいてもおかしくはない。実際、さっきから何かがうごめくような音はしてる。勿論その都度ちゃんとスキャンをしてる。当たり前だろう。スキャンを怠って不意打ちを許すなんてこはできないからね。
せっかくの性能があるのに、そんなのを許してしまうとあほの極みだ。私がちゃんと使うことで、G-01という存在が輝くんだからね。まあけど……外からスキャンをした時と内部からのスキャンではかなりその内容が違う。
それが実は気になってる。外からは外見的な見た目に齟齬はなかったんだけど……今内部からこの船の残骸の塔をスキャンすると、明らかにだけど外でのデータとの食い違いが起こってる。
そんなわけだから、なるべく固まってた方が良いわけだけど、この他の船に突き刺さってる船の内部に侵入すると、なんかアイの奴のテンションが上がってた。
こんなのは珍しい。だってアイは常に冷静な風を装ってるやつだからだ。先に進んだアイをとりあえず追っていくと、通路の所で何やらカタカタとしてる。通路の封鎖された扉の前……そこの壁についてる端末を操作してるみたいだ。
まさかこの船……生きてるの?