「ぽに!」
「ポニ子君」
ラパンさんはポニ子の存在に気付き、素早くネナンちゃんを侍女に任せてポニ子の方へと来た。私は別にネナンちゃんも知ってて良いと思ったんだけど……どうやらラパンさんはネナンちゃんには知って欲しくないみたいだ。まあネナンちゃんはまだ子供だしね。
でも自分の敵……を知っておくことに年齢が関係あるのかって気はする。しってた方が警戒だってしてくれるだろし。幾らラパンさんが完璧に守る気でも、物事に完璧って事は無い。そもそもが協会は宵に行動する手段があるのは明らかだしね。
「こちらに良いですか?」
間抜けな顔してるポニ子にこの街のトップであるラパンさんがへりくだって対応してる。ここらへんやっぱり人が出来てるよね。まあ反対する事もない。どうしてもネナンちゃんも入れないといけないってまで判断できないしね。ここは私よりも大人なラパンさんに従おう。
ラパンさんはポニ子を伴って、少し宮殿を進んで、成金ハゲが運ばれてた部屋にきた。そこはこの宮殿でもかなり質素な部屋で、なんと窓もない。この世界は暑いからね。なるべく風通しが良いように作られてるけど……ここはそんな事ない。意図的に閉じ込める為に作ったとしか思えない部屋だ。
しかも部屋には茣蓙一つだし。普通は協会関係者の成金ハゲをこんな場所に押し込めるなんて問題にしかならないんじゃ? 状況がわからないのなら、まずは治療でもする場所に運び込みそうな物だけど、明らかにラパンさんはそうじゃない対応をしてるみたい。私はちなみにポニ子の視界を通してみてる。これ便利。
「さて、ここなら邪魔は入らないでしょう。案の定、既に協会の手の物が彼を探しに来てますが、こちらには彼の来訪の記録はありませんから、知らぬ存ぜぬを通します」
あらら、確かにこの成金ハゲは宵に侵入したからね。向こうが何かを言ってきても、こっち的には知らないを通せるって訳だ。それに向こうはそれをあまり追求で出来ない。なぜなら、それは奴らが宵に行動できるって事を示してしまう。逆にこっちに問い詰められたら、協会側が困るからね。でもだからって、このままには多分してないとおもう。
多分今夜とかに救出にくるか……それか消しに来るか……
「ポニ子君が彼女を守ってくれたのだろう? 感謝する。それに協会が宵に動く術を持ってるという証明も出来た。こいつを渡すわけにはいかない」
ラパンさんがそういうから、私はポニ子大きく広がった貰った。スクリーンみたいにね。この場にはラパンさんの他に、この街の重鎮の人達がいるけど、その驚きは無視だ。そして私はこいつが昨夜行ってた一部始終を映してあげた。
確かにこいつが宵の内に宮殿に侵入してたとラパンさん達はわかるだろう。けどそれだけじゃ、他の所の人達は信じないかも知れない。けどこれは確実な証拠だ。
「こんな事も出来るとは……ありがたい」
ラパンさん以下、その下の人達も一斉にポニ子へと頭をさげる。