uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 109

 ラパンさんの息子が苦しんでるのか多分都市核のせい……と言おうかどうか迷ってると、声が聞こえてきた。まあこのくらいの距離ならね。高性能なG-01なら声を拾うくらい出来る。
 
「あがああああ!! 苦しい!! 誰か助けろおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 
 そういってラパンさんの息子がベッドで苦しんでるみたいだ。でも皆さん遠巻きにするだけ……そこで一人近付いて行くのは私が運んできたアズバインバカラのお偉いさん。ラパンさんの側近の一人だね。
 
「パズマ、俺を助けろおおおお!!」
「済みませんこれは貴方への試練です。私にはどうすることも出来ません。意思を強く持ちなさい」
「そんな心持ちはどうでもいいんだよおおおおおおおおおお!? これを早くなんとかしやがぎゃあああああああああああああ!!」
 
 なんかその叫びに半裸に近い女の人達は怯えてる。あれは何? そういう為の人達? まあ確かにああいう人達も必要なのかも知れ無いが……どうやらラパンさんの側近さん――『パズマ』さんの言葉を聞く限り、彼は息子のあの傷み? みたいなのは都市核のせいというのは知ってるみたいだね。
 
 都市核を起動させた……というかなんかした奴にはつきものなのかも? 叫んでる息子の姿はなかなか悲惨な様。吐いたりもしてるし。絶対にあそこくさいよ。良かった嗅覚までは送り込めなくて……やろうと思えば出来なくもないが、わざわざくさそうな場面を嗅いでみたいなんて思わない。
 
 私は別に匂いフェチとかでもないし。最初は……いや最初なのかわからないが、とりあえずわめいてた息子が途中からパズマさんに懇願してるのは面白い。けど彼は静かにしみる様に声を出す。
 
「こればかりはどうする事も出来ませぬ。都市統べる物の義務であり責任。そして世界に抗う覚悟を問われてるのです。乗り越えてください」
「世界なんてしらねえーよ! 俺は……俺はただ、目一杯このクソッタレな世界で楽しむんだ。俺にはその権利がうがああああああああああああああ!!」
 
 なかなかにあの息子、良い考えしてるじゃん。はっきり言ってバカ息子だが、こんな世界だからね。そうなるのもわからなくはない。あいつ的にはただ権力が欲しかったんだろうね。しかもアズバインバカラと違ってジャルバジャルなら、父親の目も緩くなるだろうし、自分の街というオモチャをあいつは手に入れたとウキウキだったんだろう。
 
「都市核が何をやってるかちょっと興味あるよね?」
『下手な事はやらない方がいいと思われます』
「そうは言っても、あの凄い量のエネルギーは興味あるじゃん。ちょっと遠隔から調べるだけだよ」
 
 出来る事は限られるけど、色々と観測することは出来る。てかちょっと調べてみてわかったけど、ネナンちゃんの目に宿る力とほぼ同じくらいの力があるんじゃない? と言うことは……ネナンちゃんは一人で都市と同様の力を持ってるみたいな? 
 うん、都市と同様ってなんだよって思う。まあつまりはネナンちゃんは個人にしては破格の力をその身に宿してしまった。そしてそれは街を守護する力並み……と。ネナンちゃんの希少さが具体的にわかってきたね。