×印にお腹を切られた化け物はその中から大量のへびを吐き出した。
「うわ!? きも!」
自分は思わず再び聖剣を振った。それによって大量のヘビが消し飛ぶ。てか中にも聖炎はない。どこに行ったんだ? もしかして別の空間に飛ばしたとかか? そういう回避方法もあったのか。
「とりあえずこのまま終わらせるか」
内部からこいつの都市核を破壊すれば、この戦いは終わりそうだ。戦いで一番大切なのは、実際は相手の実力を出させないことだと思ってる。魔王の奴は完璧な状態の敵と戦いたい……とか心躍る戦いをしたいとか常に思ってるが……それはリスクがでかすぎる。
最悪あいつは負けてもいい……とは思ってないだろうが、万全な敵を倒すことでその欲求を満たしてる節があるからな。でも自分は違う。自分は安全第一だ。決めれるのなら、最初に大技を出して一撃で終わらせたいくらいだ。
まあそれには聖剣はあんまり相性が良くないが……聖剣は徐々に力を高めていく特性がある。最高潮に達したとき、その刀身はまぶしいほどの輝きに包まれるからだ。
戦闘の序盤ではぼんやりと光る程度。まだまだ最高潮にはほど遠いからな。これが最初からそうなら、一撃で決めに行くことが出来るんだけど……それでも今は聖剣と一体になったから、その貯まりは早くなったように思う。それに変化として、自分自身も光ってるというか。まあちゃんと押さえてるんだけど……油断してると自分自身までピッカピカになる。
そうなれば、自分の力も上がるんだが……でもそれもまだまだかかる。最初にブーストを持ってくるのは大変なんだ。ここまで程度の敵では貯まりもそんなじゃない。
聖剣もちょっと魔王と似てて、強敵と相まみえるほどにその力を蓄えていくような節があるからな。
「まあ、強敵でない方が自分的には助かるんだけどな」
それなら大変じゃない。とりあえずこれで決まるかはわからないが、自分はこいつの都市核に向かって剣尖を飛ばす。狙いは勿論、胸の中心にあった一番でかい都市核だ。けどどうやら弾かれた。聖剣の剣尖を弾くとは、流石に堅いらしい。さらにはどんどんとヘビが無限に湧き出してきた。とりあえず外にでる。すると重い一撃が待ってた。片側四つの腕を使った一撃。でもそれを受け止める。
でももう片側の余った腕が反対側から襲いかかってくる。自分はそれを手をかざして魔法の壁で止めた。メインは剣だけど、自分は魔法だってそれなりに得意だ。勇者だからな。光系統の魔法と相性が良い。更に存在が進化したことで更に強力に魔法を行使出来るようになってる。
聖剣をメインにして戦ってるから、剣士っていうイメージが強いが、勇者として自分はどっちでも戦える位には両刀使いだ。自分の周りに光の球を作り出し、それを放って敵の体をうがつ。
そしてそれに怯んだところで、動き出し聖剣をお見舞いしてやる。けど僕の剣はスカッた。上手く体をねじってかわされたらしい。そして不自然な体勢でも奴の頭のヘビは此方を見て赤い目を向けていた。