目からビームが棒っきれみたいな砂獣へと当たる。すると今度は拡散しなかった。けど……
「むむむ……」
私は十秒くらい頑張って目を開けてたけど、限界が来て目を閉じた。それと同時に目からビームも照射が止まった。そしてAIに文句を言うよ。
「ちょっと、駄目じゃん!」
『いえ、いけましたよ。あと十秒くらい頑張ってれば確実でした』
「なら目の乾燥対策もしてよ」
流石に乾燥は自分の意思ではどうしようもないんだもん。確かに目からビームは拡散されずに一点を穿ってた。あと少し頑張ってたら確かにいけそうな手応えはあったと思う。
でも……ね。メッチャ目がしばしばするのはどうしようもないじゃん。今のも私頑張ったんだよ?
「てか私の目の開閉に連動することなくない?」
思った。そこら辺の仕様はこっちで変更できると思う。よし、もう一回だ! と思ったらなんかめっちゃその細長い足で頭を殴られ出した。
「ちょっ!? こいつ、頭を動かして狙いをつけさせないようにする気じゃん!!」
細長い棒っきれみたいな砂獣の足は攻撃力という面ではないに等しい。でも、それでも頭くらいなら僅かでも動いちゃう。一応動かないように踏ん張ってみてるけど、少しは動く。これじゃあ、一点突破を狙ってるこっちのみとしてはうざったい。
『蛾のような砂獣も来てますよ』
「でもあいつには攻撃手段なんてないし……て、おい」
なんか糸を吐き出してる蛾のような砂獣はG-01と棒っきれみたいな砂獣をまとめて縛り上げて行くみたいだ。まあ縛り上げるというか、糸で包んでいってる感じだけど。繭にでもする気?
「このままじゃ不味い。何か方法ない?」
変化が膨大過ぎて私の目じゃ追えないよ。何か有用でこの状況で使えそうな機能をAIにピックアップしてもらう。
『耐熱性能はかなりアップしてますよ』
「それって……って鬼!!」
鬼の両手が左右から迫ってくる。ブースターを――と思ったけど、何か上手く起動しない。まさか糸が入り込んでいたずらしてる? 体の自由もきかないし……このままじゃハエのようにパチンと潰されてしまう。
「くっ、エネルギーを高める!! 出力上昇!!」
避けることは諦めた。だから私はその瞬間に備えて体を力んだ。そして次の瞬間、鬼の手が両側からG-01を押しつぶす。